【観察眼】風力・太陽光・波力を駆使してクリーンエネルギーの発展に中国の力で貢献

2024-02-07 13:50:08  CRI

 「大鵬一日風とともに起こり、扶揺(ふよう)に直上すること九万里」――。これは李白による詩の文句だ。また、清代の曹雪芹は「良い風の力を頼りに、我を青雲に送る」と詠んだ。中国人は古くから、風の力を頼りに、風の力を制御するロマンチックな願いを抱いてきた。かつての詩人らが思いもよらなかったのは、中国人は今や、風力を利用して人類に尽きることのないクリーンエネルギーをもたらす分野で世界の先頭を走っていることだ。中国では風力だけでなく、太陽光、波力などのクリーンエネルギーも盛んに開発されている。中国は環境を保護し、より美しい地球を構築するための唯一無二の力を貢献している。

 中国を旅する人が必ず気づくことがある。広い平野や高い山、さらに海面に風力発電の大きな風車がそびえ立っていることだ。また、広々とした原野を自動車で移動すれば、大面積に設置された太陽光発電のソーラーパネルが見える。見れば理解できるように、中国では風力発電、太陽光発電が急発展している。国家エネルギー局が発表した2023年の全国発電設備統計によれば、中国全国の2023年12月末時点の発電設備総容量は前年同期比13.9%増の約29億2000万キロワットだった。うち太陽光発電の設備容量は前年同期比55.2%増の約6億1000万キロワットで、発電設備総容量に占める割合は5分の1を超えた。風力発電の設備容量は同20.7%増の約4億4000万キロワットで、設備総容量の7分の1を超えた。太陽光発電と風力発電の2つのクリーンエネルギーを合わせると、発電総容量の3分の1超だ。

 2023年には風力発電の年間の新規設備容量で過去最高の増加量を記録した。風力発電の発展が加速していることが分かる。中国は、自国の風力発電を積極的に発展させているだけでなく、大型風力発電設備の世界一の生産輸出国でもある。中国製の風力発電ユニットは世界市場の3分の2を占めている。中国の風力発電関連技術は世界でも先進的だ。中国では競争力を持つ完全な風力発電産業チェーンとサプライチェーンが形成され、自国だけでなく世界の風力発電の発展のために設備を提供し、技術支援をしている。太陽光発電も風力発電と同様に、発展が加速している。中国の太陽光発電ユニットの生産量は16年連続で世界第1位で、太陽光発電の設備輸出はすでに、中国の輸出製品の「新3種の神器」の一つとなり、世界の太陽光発電の発展を力強く後押ししている。

 中国では風力や太陽光だけでなく、他のクリーンエネルギーの開発にも力が入れられている。1月26日の初の国際クリーンエネルギーデーには、中国初の出力100キロワット超の空力式波力発電設備が稼働を開始した。波力発電は人類がいまだに商業化開発を実現していない、品位が最も高く、分布が最も広い再生可能クリーンエネルギーだ。清華大学海洋波力利用技術首席科学者の張永良教授は「すでに収めた成果を踏まえて開拓的な研究を引き続き行い、海洋波力発電技術の産業化、大規模化の早期発展を推進し、エネルギー構造の改善と持続可能な発展により大きな貢献をする」と、確信に満ちた様子で語った。

 中国国家発展改革委員会と国家エネルギー局は、2022年5月に発表した「新時代における新エネルギーの質の高い発展の促進に関する実施案」で、2030年までに中国の風力発電、太陽光発電の総設備容量を12億キロワット以上にする目標を掲げ、クリーンで低炭素、安全で効率的なエネルギーシステムの構築を加速することを決めた。風力発電と太陽光発電の総設備容量は2023年末時点で10億5000万キロワットに達した。

 国際エネルギー機関(IEA)が初の国際クリーンエネルギーデーに発表した報告によれば、中国は当初の計画より6年早く、2030年を目標年とした風力と太陽光の開発実績を2024年内に達成し、2028年までには世界の再生可能エネルギーによる新規発電量の60%を占める見込みだ。

 外交部の汪文斌報道官は同件に関連して、「エネルギー転換は『パリ議定書』が定めた目標を実現し、グリーンで持続可能な未来に進む上で必ず通る道だ」と述べ、「中国は世界的なクリーンエネルギーへの転換の実践家であり、短期間で再生可能エネルギー開発の後続走者から、並走者、そして先頭走者になることを実現し、世界のエネルギー経済の転換と世界経済の低炭素成長の推進に積極的に貢献している」と説明した。

 「風とともに起こり、扶揺に直上すること九万里」、すなわち「大風の巻き起こした旋風に乗って天の高みに昇る」――。歴史的な詩のロマンチックな夢が、今の中国ではきらびやかに現実化している。(CMG日本語部論説員)

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