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杭州の第一泉

2012-07-19 13:02:10     cri    




















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 むかし、くいの杭州には井戸が一つもなかったという。当時、ここら一帯は雨が多かったが、洪水などにはならず、家々では雨水をうまく使って暮らしていた。

 と、ある年、天気が急に変わり、日照りが続いて雨が降らなくなり、地元では湖の水までは枯れてしまい、田畑にはひびが入り、人々は飲み水にも困るようになった。

 そこで役所では、民百姓が騒ぎを起こすのを恐れ、多くの道士を呼んで、いろいろと雨を乞う儀式をやり、みんなが跪いて天を拝み雨を求めた。

 ある日、一人の爺さんが杭州の町にやってきて、みんなが跪いて雨を求めているというのに、この爺さんは立ったままでいる。これに気付いた役人はかなり怒り、下のものにこの爺さんを役所まで連れてこさせ、命令に従わないという罪名をなすりつけ、縛り首にするよう命じた。

 こちら爺さん、これを聞いても少しも恐れない。

 「はははは!わしは今年で八十になるので、いまあの世へ行っても惜しいとは思わん。じゃが、町の人々は飲む水もなくなりそうになり、役人までもまもなく喉が渇いて死んでしまうかもしれんのじゃぞ!」

 これを聞いて役人は怒鳴る。

 「何をほざいておる!死に際になって負け惜しみを言うな!」

 「お前さんたちは、物分りがわるいのう。日照りが続き、みんなが困っておるときにどうしてこの年寄りのわしが町にきて、跪き雨乞いしている人を前に平気で立っておったのか。よく考えてみなされ!」

 これを聞いた役人、「それもそうだ。もしこの爺さんが雨をもたらしてくれば、これに越したことはない。もしうまくいかなくてもそのときに、この爺さんを縛り首にしてもいいな」と思った。

 「なんじゃと?爺さんはどこから来た?」

 「そんなことはどうでもいいことじゃ」

 「では、わざわざここに来て雨を降らしくれるとでも言うのか?」

 「うんにゃ。水がどんどん出る井戸を掘ってやろう」

 「井戸?」

 「ああ。この杭州の地面の深い下のある水をくみ上げる井戸じゃ」

 「この杭州にはそんなものはないぞ」

 「はは!わしは。杭州にこれまでにないものを掘るのじゃ」

 「ふーん!よし。そこまでいうなら、やってみろ。しかし言っておくがもししくじれば、命はないぞ!」

 「なにをしつこい!わしは死などは恐れてはおらん」

 「では、さっそくその井戸とやらをほてもらおう」

 「ああ。で、その前にわしに支度をさせろ」

 ということになり、この爺さんはその足でどこかへ行ってしまった。

 実は、じいさんは郊外にある家に戻り、五十を過ぎた息子に竹の駕籠を作らせた。

 「とうちゃんよ。竹の駕籠なんか作ってどうすんだよ」

 「わしのもう年じゃ。駕籠に乗って水を探すんじゃよ」

 こうして息子が駕籠を作ったので、爺さんは畑にいる二十幾つの孫を呼び、「二本の竹を持ってお前の父さんと一緒にわしを担ぐのじゃ」と言いつけた。

 「おじいちゃん、駕籠に乗るの?」

 「そうじゃ。駕籠に乗るんじゃ」

 「どこへ?」

 「町の城壁の上まで担いでくれ」

 こして息子と孫は爺さんを駕籠で担ぎ、杭州の城壁の上ぐるぐる回り、なんと三日目に城壁の角の近くからの地面から煙でも霧でもないものがかすかに吹き出ているのを見つけた。

 「うん!あそこはおかしいのう。空には白い雲が浮かんでおる。きっと水の竜があの下にいるに違いない。あそこまでいってくれ」

 こうして爺さんはその城壁近くにきて駕籠をおり、暫くその煙や霧でもないものが出ているところを見てから息子と孫に行った。

 「いいか。おまえたち多くの男たちをここに呼んでくれ。ここに井戸を掘るから、穴を掘る道具と長い縄を忘れんようにとな。その前に役所に行ってかの老人がここで井戸を掘るというのじゃ。奴らはわしのことを知っておる。どうせ役人も一緒に見物にくるかもしれんからな」

 こうして息子と孫は、役所に行って許しを得てから町から多くの男たちを呼んできた。

 そこで爺さんは、ついてきた役人を横目でみてから男たちに言う。

 「みなの衆。いいかね。ここの下には飲める水が流れておる。みなの衆は水がなくて困っておるはず。さあ、みんなでここを深く掘って井戸を作り、水を汲み取るのじゃ。いいかね」

 この話にみんなが同意するのは当たり前。そこで疑いの目でこれを見ている役人の前でみんなはそこを掘り始めた。しかし、どうしたことか、かなり掘っても水は出てこないので、怒った役人はみんなが許してやれというのも聞かず、まもなく爺さんを縛り首にしてしまった。

 こうして息子と孫は泣きながら爺さんの亡骸を家に持ち帰り、近くの丘に墓を作った。

 その後、爺さんの息子は、孫にいう。

 「お前のおじいちゃんは、これまでうそをつくことが嫌いで生きてきた。だから、あそこら一帯の下にきっと水の竜がいるに違いない。ここまま、黙っていればおじいちゃんは浮かばれず、息子のわしも面目が立たない。いいか、わしはお前のおじいちゃんの遺志を継ぎ、きっと水が出る井戸を掘ってみせる」

 この父の話に爺さんの孫はもっともだと思い、翌日、父と共にまたかの城壁の上に来て、何日も近くや遠くを細かく眺めた。そして一番近い山のふもとのあるところから、また煙でも霧でもないものがゆっくり吹き出ているのを見つけた。

 「いいか、あの山もふもとの地下に水の竜がいるに違いない。お前のおじいちゃんの言うとおりだ。さ、いまからこの前と同じように男たちにあそこを掘らせるのだ。きっと水が出るに違いない」

 こうして親子はまた役所に行き、今度こそは水が出るといって役人を説き伏せ、多くの男たちを山のふもとに来させ、井戸を掘らせた。しかし、いくら掘っても水は出てこない。そこで役人は今度も怒り、なんと爺さんの息子を処刑してしまった。

 残された孫はおいおい鳴きながら父の亡骸を背負い、丘の爺さんの墓の横に埋め、泣きつづけた。

 「おじいちゃん、父さん。どうしたんだよ。どうしておいらを置いてけぼりにしていってしまったんだよ」

 しばらくして孫は泣きつかれたのか、お墓の前で寝てしまった。そして爺さんと父の夢を見た。夢の中で爺さんと父は言う。

 「いいか。あそこら一帯の地の下には必ず水の竜がいるんだ。お前はまだ若いが、あの煙や霧でもないものがゆっくり噴出していたのが見えただろう。頼む、爺さんと父に代わってきっと水の出る井戸を掘ってくれ。そうでなければわしらは無駄死にしたことになる。わしらの苦心を無にしてくれるな」

 目を覚ました孫は、まったくその通りだと思い、必ず水の出る井戸を掘る決意を固めた。

 こうして翌日の朝早くから孫は、かの城壁の上へあがり、爺さんと父がしたようにじっくりと周りを見続けた。そして次の日、かの城壁の角の近くあたりから、これまでより濃い霧みたいなものが吹き出、空の雲もどんどん多くなるのをみた孫は、今度こそ間違いないと、再び役所に行ってこのことを役人に告げた。ところが役人はこういう。

 「お前の一家はどうかしてるぞ。水が出る井戸を掘ると言い張り、これまでにお前の爺さんと父が命をうしなっとる。それとも何か、お前までがそんなに死にたいのか?水がなくてみんなが苦しんでいるのじゃ。そんなときに無駄な力を出させるというのか!」

 「ちがいます!本当に地の下には水があるのです。こんどこそ、きっと水が出てきます。早くしないと、もっと多くの人が倒れるでしょう」

 「ふん!一家三人とも頑固な奴じゃな!仕方がない!しかし、いっておくぞ、今度も失敗したら、お前も爺さんと親父のように命はないものと思え!いいな、それだけは覚悟しておけよ!」

 「わかりました!」ときっぱり答えた孫は、ほんとに死ぬ覚悟でいた。そして役所の許しを得たといって町の男たちを呼びに行った。

 実はこれまで二回も水が出てこなかったので、男たちも水などでないと思っていたが、そのたびに人が命を失ったのでびっくりしており、今度は孫までが命を張って水は必ず出ると一生懸命にいうではないか。そこで、いくらか哀れに思い、その上「水がない日々をこれ以上送るのはもうごめんだ。もしかしたら今度こそほんとに出るかもしれない」と孫について男たちはかの城壁の下まで来た。

 こうして井戸掘りがまた始まった。そして今度は、掘りながら穴の回りにレンガを積み、周りから穴が崩れないようにした。だが、ここは前の二つのところより土が固く、かなり苦労してみんな掘っていた。そして三十尺あまり掘ったところで、とうとう岩にぶつかってしまった。これはどうしようもない。そこでみんなは仕方ないと地上に上がった。これをみた孫は、悲惨な顔をして穴の底に飛び降り、手で底を触ってみたところ、こっちの端とあっちの端にそれぞれ丸い岩があるのを見つけた。

 「こ、これは二つの竜の目玉でないのかな?きっとそうだ。水の竜の目玉に違いない。こんなにすべすべした岩なんかあるわけがない。きっと竜の目玉にちがいない」

 こう思った孫は、急に大声で叫びだした。

 「竜や!竜!どうしてお前は人々を助けてくれないんだ!空からは雨が降らず、地の下からは水が沸きでない。お前はみんなを死なせる気か!」

 しかし、穴の底からは何も聞こえてこない。そこで孫は目を真っ赤にして「そうだったのか!それじゃ、おいらが死んでやる!」といい、なんと自分の頭をその丸い石に思いきりぶつけたではないか!!

 すると「ドカーン」というものすごい音がして、そこの真ん中に割れ目が出来たかと思うと、その割れ目から水が噴出し、瞬く間にみんなが掘った穴をいっぱいにしてしまったではないか!びっくりしたみんなは、吹き出た水に上におされて浮かんできた孫を助けたが、孫は頭からひどい血を出して死んでいた。そこで男たちはみんなのために命をささげたこの若者を惜しみ大いに泣き、その井戸の近くにの若者を手厚く葬った。

 こうして水がたっぷり湧き出る井戸が出来たので杭州の人々は救われ、やっと普段の暮らしを戻した。その後、町の人はこの親子三代がしてきたことを思い出し、それに習って自分たちも井戸を掘り始め、杭州にはその後井戸が多くなってきた。しかし、どの井戸も。爺さんの孫が命を失った井戸より小さく、みんなはこの井戸を一番の泉という意味の「第一泉」と名付けたわい!!

 そろそろ時間のようです。では来週またお会いいたしましょう。

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