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「揚げたあんまん」

2012-05-24 12:45:04     cri    
















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(再放送)

 こちら北京の今年の夏はこれまで何度も言いましたが、例年より雨がとても多く、8月の後半になってようやく夏らしい気候を取り戻したようです。でも湿気が高いので蒸し暑さが目立ちます。

 ところで、先日、近くに出来たマーケットで新鮮な豆腐があったので、一丁買ってきました。というのは前日に脂っこいものを食べたので、今日は野菜か豆腐をたっぷり食べようと思っていて、ぶらりと出かけ、近くの市場でこれといったものがなかったのでマーケットに寄ったものです。

 もちろん大好きなネギは忘れません。ついでにザーサイをばら売りしていたので、適当な大きさのものかって帰りました。

 帰宅したあとは決まって晩酌の準備。まずは豆腐をいくらか冷やすため皿にのせて冷蔵庫に入れておきます。そしてザーサイですが、わたしは辛党なので、ザーサイは簡単に洗っただけでみじん切りにし、小皿にとっておきます。ネギは青い部分だけを使い、同じようにみじん切り。で、冷蔵庫から冷えた豆腐を取り出し、崩してから適用な容器に入れ、それにザーサイとネギを載せ、うまみ調味料をいくらかふりかけ、ごま油をたらして出来上がり。もちろん食べるときはかき混ぜます。中国パセリがあれば、それもみじん切りにして加えますが・・。

 実は晩酌の肴にはこの一品だけでは足りないので、皮付き落花生を塩味で茹でたもの、ナスをやわらかく蒸したあと細く裂いてゴマ味噌で和えたものをつけました。もちろん酒は中国の「白酒」です。ビールはおなかががぶがぶになるので、この林涛はほとんどのみません。飲むといっても友人と外食するときに、白酒を飲む前に少し喉を潤すために、コップを傾けるぐらいですね。

 酒好きの方は、夏はどんなつまみで飲まれているんですか?

 今日の「中国昔話」はまず、「盧氏雑説」という本から「揚げたあんまん」という小話です。

 馮・給事(隋・唐代以後、天子の詔勅を審議する要職)が時の宰相に呼ばれ、その屋敷の玄関についたときに、赤い服をまとった老人が玄関の横に立っていた。馮・給事は「何だ?この老人は」と思ったが、はやく宰相に会うため急いで中に入った。そして宰相といろいろ公務をかなりの時間相談したあと、自分の屋敷に帰るため玄関を出ようとしたが、なんとそこにはかの老人がまだ立っていた。もう日が暮れそうなときだったので、いくらか気の毒に思った馮・給事は、一体何の用で長い時間そこに立っているのか、老人に聞いてみた。

 「これは、これは給事さま。実は私めは、尚食局(食事などをあつかう部門)のもので、大事な用事で宰相さまにお目通りを願っておりますが、まだお会いできないのでここで待っております」

 「それは、それはご苦労なこと」

 と馮・給事は、屋敷の玄関の外で年老いた尚食局のものが、大事な用事で待っているので早く会ってやるよう給事の自分が言っていると宰相に伝えるようこの屋敷の役人に言いつけた。しばらくしてその老人は屋敷の中に入っていったが、そのとき馮・給事は玄関で、私用のためここに来た友人に出会ったので、立ち話をしたあとそこを離れようとしていると、かの老人が用を終えホクホク顔で中から出てきた。そしてそこには馮・給事がまだいたのを見つけた。

 「これは、これは給事さま。まだここにおいででございましたか。今日は、給事さまのおかげで、やっと宰相さまとお会いでき、用事を済ませることが出来ました。実にありがとうございました」

 「いや、いや。たいしたことはしておらん、礼には及ばぬ」

 「わたしめはこれまで長いこと厨房で働いておりましたことから、少しはお口に合うものを作れると思います。給事さまはどこにお住まいでしょうか?」

 「いや、ああ。親仁坊じゃが」

 「そうでございますか。どうでございましょうか?材料はわたしめが揃えますので、明日にでもわたしめがあなたさまのお屋敷にまいり、あなたさまとご家族のみなさまにお口にあうものを作って差し上げたと思います」

 これを聞いた馮・給事、実はうまいものには目がない人物だったのでこれはいいと思い、老人の求めを喜んで受け入れることにした。しかし、材料はこちらが揃えるといって聞かない。そこで老人は、大きな皿、数十片の木屑、それと浅い鍋、炭火、上等のごま油、干したナツメと小麦粉などがいるというので、馮・給事はニコニコ顔で首を縦にふり、翌日の午後に、この老人に来てもらうことにして、分かれた。

 この馮・給事は調理のほうではいくらか知っており、時には屋敷で自ら厨房に入るという人物だったので、老人がどんなものを作ってくれるのか楽しみであった。

 さて、次の日、かの老人は約束どおり馮・給事の屋敷にやってきた。もちろん相手は、自分より位はかなり低いが、それでも尚食局の役についているもの。まずは馮・給事はまずは応接間でお茶を出してもてなし、わざわざ来てくれたことに礼を言う。

 しばらくして老人がそろそろ始めますかというので、さっそく老人を屋敷の厨房に案内した。もちろん、そこには前日老人が求めたものが揃えられていた。

 そして馮・給事と屋敷の厨房人が離れたところから老人のこれからやることを見ている。こちら老人、そんなことは少しも気にせず、まずは、ここの火釜を目を細めながら暫く眺めていたが、不意に持ってきた袋から厨房人の服をまとい、小さな帽子をかぶり、前掛けをした。

 そして釜床が平らでないのか、木屑をへこんでいるところに並べた。次に、横にある台に大きなまな板を置き、小麦粉をそこに多くこぼして、それに水とごま油を加えてしっかりこねてから、小さな団子を幾つも作りだした。そしてそれを一つ一つ麺棒で伸ばしてから丸め、真ん中に穴を作ったあと、持ってきた袋から木造の箱を取り出し、元から用意してあった小豆の餡らしいものを一つ一つに詰め込み、それに厨房に揃えてあった干したナツメを入れて丸め込み、小さな饅頭を作って並べた。

 ここまで見ていた馮・給事と屋敷の厨房人、これまで老人が特に変わった作り方をしていないので、なんだ?普通のあんまんかとがっかりしていると、老人は釜に火をつけ、先に蒸し鍋でこれらあんまんを蒸かした。そして出来たあんまんがいくらか冷えるのを待って、浅い鍋を釜床の上に置き、それに油を多く敷いてあんまんを揚げ始めた。そして揚げあがったあんまんを一つ一つ大きな皿に並べてから近くにあった大きな卓に置き「さ、出来ましたぞ」という。

 これには馮・給事と厨房人たち、いくらか驚いたが、違うところは出来たあんまんを油で揚げたことに過ぎないと思った。しかし、老人がわざわざこの屋敷にまで来て作ったのだから、一応は食べてみないとと思い、さっそくあんまんがのった大皿を応接間に持っていき、まずは馮・給事が味見にと箸を取った。

 そしてあんまんを摘もうとして老人の方を見ると、老人は角にある椅子に座り、うまそうにお茶を飲みながら、ニコニコ顔で馮・給事を見ながら、どうぞ召し上がれと言わんばかりに首を軽く振っている。

 そこで、馮・給事は揚げたあんまんを一つ摘んで先に匂いをかいで見た。するとなんともいえない小麦粉と小豆の香ばしさが鼻から頭にのぼり、目がくらむほどであった。

 「これは」と思った馮・給事は、摘んだあんまんを一口食べる。すると中のふわふわ饅頭とうまさと小豆餡の香ばしさ、それに蒸したナツメの味に加え油で揚げた小麦粉のなんともいえない味が混ざって口の中に広がる。

 「うん!こ、これは」と馮・給事は言葉が出ず、知らないうちにそのあんまんを食べ終わっていた。

 「これは、これは絶品でござるな。こんなにうまいあんまんは生まれて初めてじゃ」と妻や子供、それに屋敷の厨房人に食べろと勧めた。

 そこでみんなが箸を取りそれぞれ目を光らせてその大皿の揚げまんを瞬く間に平らげてしまった。もちろん、みんなはこんなにうまいものが食べられたので興奮している。そのうちに馮・給事は、かの老人の座っている椅子に目をやって褒めようとしたが、なんと、そのときには老人の姿はなく、ただ二枚の紙切れが残されていた。そこで馮・給事がそのうちの一枚を見た。

 「給事さま。初めてお会いしたこの老いぼれに気を配っていただき、ありがとうございました。この食べ物の作り方は、もう一枚に書いてあります。わたしめは、これでお暇いたします。実は私は急用が出来てふるさとに帰りまする。もう尚食局にはおりませんから、お探しになっても無駄でしょう。ではお元気で!」

 ここまでみた馮・給事があわてて尚食局に人をやったが、かえって来た使いの話しでは、その老人は今朝急用でふるさとに帰ったという、それにふるさとがどこあるのかはっきりわからないという。つまり、昼前にふるさとに帰ると言って尚食局を出て約束どおりに給事の屋敷にきて、揚げあんまんまんをつくったあと、そのまま姿を消したらしい。

 「これは残念!」と馮・給事はもう一枚の紙を大事にしまい、その後屋敷の厨房人に紙に書いてある通り揚げあんまんまんを作らせたが、どうしたことが、あのうまさがなかなかでなかったそうな。

 次のお話です。「野人閑話」という書物から「ネズミ薬」です。

 「ネズミ薬」

 むかしむかし、ある町に一人の爺さんがいて、ぼろぼろの服をまとい、物乞いするのではなく、汚い袋を提げて人の多いところの角に座り込み、なんとネズミ薬を売っていた。

 「さあ、買った買った!わしの薬はネズミを殺せるだけでなく、人が呑めばどんな病でもよくなるよ!さあ、買った買った!」と叫んでいる。

 これには道行く人々も笑い出すのは当たり前。

 「おいおい!なんだよ爺さん、ネズミ薬で人の病を治すんだって?馬鹿いうなよ」

 「そうだよ。人がネズミ薬を呑めば、死んでしまうぜ!そんなことしてると役所につかまるぞ!」

 「ホントだ!早いことどこかへ隠れてしまいな」

 こういってみんなは馬鹿にする・

 「何を申す。わしの薬は人の病を必ず治せるんじゃ」

 「じゃあ、爺さんよ。あんたのネズミ薬を自分で食べてみな」

 「ああ。若いの見ておれよ」

 と爺さんは、自分の売っている薬をみんなの前に幾つも呑んだ。ところが爺さんには何の変わりもないので、みんなは何の効き目もない薬だと思って相手にしなかった。

 さて、この町には古本を売っている張という年寄りがいた。実はこの張老人、長い間、足腰の骨の痛みに苦しんでいたが、どうもいい医者と薬がないので困っていた。

 と、ある日、店の本がネズミにかじられ台無しになったので、その日、道行く人がやめておけと止めるのを無視して、かの爺さんの売っているネズミ薬を買って店のあちこちに仕掛けた。そして夜になって明かりをつけネズミ薬の効き目はどうかと、探してみると、なんとネズミらはこの薬を争って食べたあと死ぬどころか、なんとそれぞれ羽根をつけ始め、あっという間に開けた窓から外へ飛んでいってしまったではないか!これには張老人はびっくり。そこで次の日の朝、かのネズミ薬を売る爺さんが町で歩いているのを見つけ、薬をもっと売ってくれというと爺さんはこう答えた。

 「残念ですな。あの薬は昨日あんたが買ったのでもうおしまいですわ」

 こういって行ってしまうので、張老人は足腰の痛みを我慢してそのあとをつけたが、爺さんがある横丁に入ってしまったので、見失っては大変だと慌ててその横丁に入っていた。するとそこは路地の行き詰まりで、かの爺さんの姿はない。これには張老人はがっかり。仕方なく、家に帰り、どうにかならないかと考えた挙句、ネズミが食べ残したかの薬を拾い集めて呑んだ。するとどうだろう。はじめは足腰が軽くなり、そのうちに体中が熱くなり、眠くなってきたので、床で横になったが、目を覚ましてみると長い間治らなかった足腰の骨の痛みがまったくよくなっていたワイ。

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