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「李知礼」(李知礼)

2011-12-28 10:26:22     cri    




















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 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。

 今日は、北宋時代に出来たといわれる本「太平広記」を言う書物に収められているものから「李知礼」、「魚が嫌いになったわけ」と「蚕の仕返し」というお話をご紹介いたしましょう。

 はじめは「冥報記」から「李知礼」です。

 「李知礼」(李知礼)

 唐の時代、隴(ろう)西に李知礼という男がいた。李知礼は少年のころから動きが速く、力があり馬乗りが巧みな上に弓に長けているので、狩りに出て多くの獣などを射殺した。また、漁に出ではかなりの魚を獲ったという。

 貞観九年、李知礼は急な病にかかり数日後に死んだ。そして李知礼はあの世に行く途中、大きな馬を引いている地獄の兵だという者に出会った。その兵が閻魔さまのお呼びだから、この馬に乗れというので、李知礼が馬に乗るといつの間にか地獄に着いた。そして怖い顔をしている閻魔の前につれていかれた。閻魔がいう。

 「李知礼よ。地獄の賊を討伐してまいれ。しくじりは許されんぞ。さもないとその方は地獄でひどい目にあうことになる。よいな!」

 これに李知礼は返す言葉もなく、自分と同じようにしくじると地獄でひどい目に遭うという他の二十四人の者と賊の住処があるところに出陣した。こうして住処の近くに来たとき、向こうから多くの賊が、こちらに攻めてくるではないか。もちろん、相手は大勢、こちらは小勢でかなわないのは当たり前。これに他の二十四人は逃げだそうとしたが、李知礼が叫んだ。

「賊の討伐でしくじれば、閻魔さまに殺されるぞ。逃げるのはあとだ。私がやってみる」

 李知礼は敵の頭らしき者がどこにいるかを見極め、弓を引いて矢を何本か放った。すると矢は見事に頭らしき者や他の敵の胸を貫き、いずれも落馬したので、敵勢はいくらか怖気づいたのか攻めてくるのを止め、こちらをうががっている。そこで李知礼がまたも何本かの矢を放ち、数人の敵を射殺したので、敵勢はあわてて逃げ出していく。こうして李知礼と他の二十四人は閻魔のところに戻った。

 こちら、ことのいきさつを知った閻魔は、「賊は退けたものの、お前たちはなぜ、はじめから戦わずに逃げようとした?だめじゃ!!」と叱り、麻縄で李知礼たちを縛り、大きな石の上に寝かせで石で押さえつけるという。こうして四人の者がつぶされたあと、李知礼の番になったが、こんな馬鹿なことはないと思った李知礼は叫んだ。

 「私は弓矢で敵を退けました。私なりに力を尽くしたのに、こんな目に遇うとは・・・。道理がない!!」

 これを聞いた閻魔は、それもそうだと思い、李知礼だけを放して部屋を与えて住ませた。

 と、翌日、李知礼が散歩に出かけると、周りを高い壁で囲んだ大きな庭があったので、そこに入ると、なんと狼が出てきた。李知礼が後ずさりしながらよーく見ると、自分がかつて射殺した狼だった。その狼は飛び掛ってきて自分に噛み付いたので、李知礼は血だらけになり痛さのため気を失いそうになった。そのとき、背丈が十尺ぐらいの大きな化け物が出てきて李知礼の皮を剥ぎ、肉などをむしりとってかの狼に食べさした。しかし、不思議なことに李知礼の皮や肉はすぐに生えてきた。そこで化け物はまた皮と肉を剥ぎ取り、狼らに与える。が、皮と肉はまたもすぐに生えた。こうしてこのようなことが三日続き、李知礼は口ではいえない痛さと苦しみを味わい、三日目に化け物と獣らがやっと姿を消した。そこで李知礼はその庭を逃げ出し、南の方へ向かったが、どうにも体が軽くなったようで走りが速くなっていた。と、後ろから何が追いかけて来て、鉄の籠で自分を被せてしまい、籠を近くの川に投げ捨てたので、自分は籠から放り出された。すると多くの魚が襲い掛かってきて自分を突付き始めたが、痛みをこらえていると不意に陸の上に投げ上げられた。そこに一人のお坊さんがきた。みると自分が住んでいた町のはずれのお寺のお坊さんだったので声をかけようとしたが声が出ない。李知礼が焦っているとお坊さんがいう。

 「李さん、腹をすかしていることでしょう。これを食べなさい」

 お坊さんは三つの白い丸薬を懐から出したので李知礼がそれを口に入れるとかなり苦い。が、我慢して何とか飲み込むと急に体に力が出てきたのでお坊さんがいう。

 「速く家に戻りなさい」

 そこで李知礼が周りを見るとそこは自分の屋敷の近くで、立って歩き出すと屋敷の近くに大きな穴が掘ってあり、中に槍や矛が立ててある。そこに自分の娘や屋敷の者が棺を担いできて中をあけた。中には絹糸でつないだ銭や食べ物が入っている。

 「うん?あいつら何の遊びしてんだ?」と李知礼が首をかしげていると後ろから恐ろしい顔をした化け物が追ってくるではないか。そこで隠れるところはと李知礼はいっそのこと穴の中に飛び込んだ。その途端、李知礼は眠りから覚めた。

 これに床の周りにいた妻や子供と親戚、それに屋敷の者が驚き、やがては喜びの声を上げた。そう、李知礼は死んだあと五日後に息を吹き返したのだった。そして聞くと娘や屋敷の者は死人の旅立ち持たせる紙で作った銭や食べ物を運んでいたという。

関連ニュース
関連項目
v 魚が嫌いになったわけ 2011-12-28 10:26:08
v 蚕の仕返し 2011-12-28 10:25:54
v 「金の牛」 2011-12-22 09:45:12
v 「濡れ衣」(孟簡) 2011-12-15 15:56:29
v 亡霊のいたずら 2011-12-08 12:48:16
v 「乗り込んできた老人」 2011-12-01 16:10:14
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