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「宝のたまる鉢」(聚宝盆)

2011-10-13 14:23:35     cri    

 こうして数日後に梁花は息を引き取った。ところが、華竜は、母の遺言を自分が鉢を預かるよう命じたと理解してしていたのだ。

 こうして華竜は、父の華良は華虎と一緒に暮らすよう母がいったといい、家の財産の四割を華虎に渡し、その下の竜豹には三割を渡して、兄弟三人別々に暮らしていくことにした。

 こうしておとなしい次男の竜虎は畑仕事に励みながら父と暮らした。しかし、華豹はかの鉢のことが気になり、兄の華竜のところで行って、鉢を二人で使うよう求めた。これに華竜は怒ったが、けんかの強い弟をどうすることもできない。仕方がないのでしぶしぶ弟の言うとおりにした。これを耳にした次男の華虎は、兄と弟は死んだ母の普段の教えを忘れ、楽して金を手に入れようと考えたなと嫌い、自分はやっぱり働いて暮らそうと心に決め、知らん顔をしていた。

 さて、華竜と華豹だが、話し合った挙句、この鉢は先に華竜が使うことになった。

 で、その日の夜、華竜は自分の銀一枚を鉢に入れて、これで大金持ちになれると妻と一緒に酒を飲み、「明日よ、早く来い」などといいながら寝てしまった。こうして夜半になって起きてみると、鉢は銀でいっぱい。喜んだ夫婦は早速、鉢から銀を出して、中にまた一枚の銀を入れた。するとしばらくして鉢は銀でまたもいっぱいになった。夫婦は有頂天。こうしてこれが繰り返され、部屋は銀の山が天井まで届いた。すると不意に「どーん」という音がして、天井が破れ、周りの壁も倒れ、華竜夫婦はなんと銀の下敷きになった。

 一方、この大きな音に父の華良と次男の華虎、それに三男の華豹がびっくりして目を覚ました。外へ出てみると華竜の家が崩れ落ちでいる。そこであわてて駆けつけた。華良と次男の華虎はもちろん華竜夫婦を必死で探したのに、なんと華豹はかの鉢を必死で探していた。

 こうして朝になったが、華竜夫婦は亡骸さえ見つからず、かの鉢も姿を消していた。それによく見てみると明け方まで銀であったものは、朝になってすべて石ころに変わってしまっていたワイ。

 これに悲しんだ父の華良、ふと、かつての夢に出てきた爺さんの「使い道を間違えると、家をつぶす」という言葉が頭に浮かび、死んだ妻の梁花のことを思い出し、大声出して泣いたわい。

 そろそろ時間のようです。では来週またお会いいたしましょう。


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