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雪高原の百科全書―チベットの天文暦算

2010-12-10 12:27:34     cri    

 青海チベット高原に暮らしているチベット族はその勤勉さと知恵によって自民族の独特な天文暦法・チベット天文暦法を作りました。チベット天文暦算は独特なもので、天文、地理、チベット医薬、農業生産などの知識を取り入れており、まるでチベットの百科全書と言えます。

 チベット自治区にあるチベット族病院の傘下に「門孜康」という機関があります。チベット語で「門孜康」は、チベット医薬、および天文暦算の専門機関という意味を指します。チベット医院天文暦算研究所副所長の次多さんの紹介によると、『門』とはチベット医薬、『孜』は天文暦算、『康』は院を指しています。

 天文暦算研究所では天文暦算についての授業が開設されており、授業内容はチベット地域の農作業活動にとって重要かつ指導的な役割を果たすなど、農民や牧畜民に広く歓迎されています。毎年大勢の人々がラサの天文暦研究所で学習しています。研究所はこれら社会人学生に対して、無料で授業を行っており、現在までに、すでに500人余りの実用人材を育成しました。このほか、自治区政府もチベット医院で天文暦算訓練クラスを開設し、自治区内外から研究人材を募集しています。2009年までに、42人の高学歴保有者と高い業務レベルを持つ優れた学生が訓練クラスを卒業しました。

 次多さんのお話によると、自治区チベット医学院は多くの専科学生を育成しており、各地区でチベット医院を設立しています。

 チベットの暦には中国およびインドの暦算方法も用いられ、すでに1000年の歴史があり、年、月、日を数えるだけではなく、天文、天気、自然災害を予報することもできるほか、各地区の農作業と牧畜業の指導にも利用されています。また、数百種の薬草の採取時期、チベット薬についての知識が記され、1年四季における人体の動脈拍動の変化の法則も明記されています。

 チベット天文気象研究所の主な任務は毎年の天文気象歴を作ることです。暦にはさまざまな業種や方面に向けた内容が含まれるほか、毎年の気象状況や5大惑星の軌道の法則も含まれています。

 「チベット天文気象暦」はチベット天文暦算の重要な一部分であり、一連の複雑な数学計算によって一組のコードを算出します。これをコードブックに照らして、現代のチベット語に翻訳した上で作成されます。

 科学が発達している今日では、コンピュータを使って必要な数値をすばやく精確に計算することができます。天文暦算研究所の副研究員、格多さんの話によれば、日食や月食の運算は非常に複雑ですが、昨年12月22日の日食についての計算は百パーセントの精度に達したということです。

 天文暦書は、作成、製本後に発行されます。毎年チベットや四川、青海、雲南、甘粛などのチベット族が暮らしている地域、またはチベット周辺のネパール、ミャンマー、ブータンなどの国で、合わせて30万冊もが刊行されています。(翻訳:董燕華)

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