今21歳の蒙古族の若者ハダさんは小さい頃から内蒙古のバヤンノール・ホト草原に暮らしています。ここ数年、放牧を減らし、草原を保護する措置の実施が進むにつれて、地元の農民と牧畜民は続々と町へ引越しました。2009年、ハダさんは県の鉱山企業の技術者になり、放牧民の家の子どもから産業労働者へと成長しました。
2007年、ハダさんは高校を卒業し、大学を受験しましたが、残念ながら不合格でした。ハダさんに3つの進路で悩みました。一つはもう一度勉強して、再び大学入試を受けることです。2つ目は故郷に残り、両親と牧畜業を営むことです。3つ目は、出稼ぎに行くことです。両親も悩んでいたところ、県の役所からいい知らせが届きました。これによって、ハダさんの大学進学の夢に希望をもたらしました。
「私がどうしたらいいかわからなかったとき、就業局が家にきました。そして、委託の方式を通じて、江西理工大学へ2年間育成訓練を受けることができ、大学で1年半勉強して、後の半年間は地元の工場で研修することができると教えてくれました。両親は家にいても、やることがなくて、むしろ学校へ勉強に行ったほうがよいと思った。私もそれに同意した」とハダさんは話しました。
こうして、地元の就業部門の補助育成訓練プロジェクトの支援の下、ハダさんは故郷の発展と密接に関る専門学科を選び、大学生活を始めました。
ハダさんは「私は鉱石学科を選んだ。故郷は鉱山資源が豊富で、政府もこれを重視しており、大学に鉱山技術者の養成を委託したからだ」と話しました。
その年、草原から離れ、大学に進んだハダさん一人だけではなく、バャンノール・ホート市烏拉特後旗(ウラット・ホーチ)県ではあわせて5人の高校生をこのプロジェクトに参加させました。この5人は皆牧畜民の家の子どもです。このプロジェクトは、地元の牧畜民を都市へ移転させる措置の一つです。
ウラット・ホーチ県には面積240ヘクタールにわたる草原が広がっています。気候は乾燥し、過度な放牧などの要因によって、牧畜民の生活と牧畜業生産はひどく脅かされていました。このため、2003年から、地元では大規模な草原生態整備と牧畜の移転が始まりました。移転の過程で青少年の教育と就業が問題となりました。地元政府は、学習の成績が一般的な子どもや、就職先を探している牧畜民家の子どもを対象に委託養成訓練のプロジェクトを実施しました。
これについて、ウラット・ホーチ就業局の段利青副局長は、「牧場を草原に回復する措置を実施した後、生活方式が変化したため、青少年の不良行為が増えた。これらの子どもは大学試験に失敗し、工場での肉体労働に従事することを嫌って、家に閉じこもっていた。それを見て、政府は江西理科大学と相談して、第1期に46人の子どもを大学の養成訓練に参加させた。政府は一人あたり学費の40%を補助している。2年後に、これらの子どもは皆戻ってきて、地元の企業に入り、勤勉に働くようになった」と語りました。
ハダさんは「南方の都市で学習し、生活した2年間で、視野が広くなり、多くの友人ができた。この体験は一生忘れがたいものだ。学習を終えた後、ふるさとに帰って、鉱山で化学検査員になった。安定した収入があるし、当時の選択は正しかった」と嬉しそうに言いました。
ハダさんのような牧畜民の家の子どもはだんだん都市の生活に慣れ、生活様式も変わりました。新世代の産業労働者へと成長し、父の世代とは違う道を歩んでいます。(翻訳:トウエンカ)
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