福建省は、山地と丘陵が総面積の90%を占めていますが、高い山でもせいぜい2,000エー採るで、ほとんどが数百メートルの丘陵です。そして、平野は沿海地方の極一部に限られています。気候は南部が北回帰線に近く温暖です。年間降雨量は1,200ミリから2,000ミリくらいで、海岸部より山間部の方が多くなっています。
この福建では、昔から非常に珍しいお茶・研膏茶と蝋面茶、それに皇帝に献上する竜鳳茶と武夷岩茶などの名茶が生産されていました。
その昔、1,000年ほど前の宋朝時代、中国のお茶は散茶と片茶の二種類に分けられていました。このうち、散茶はバラバラの葉からなる葉茶で、片茶は一塊になった固形茶です。研膏茶と蝋面茶は共に片茶に属し、その作り方の技術が改良されますと、竜鳳茶と呼ばれる皇室用の茶に発展するのです。
研膏茶は、することで、膏は肉の脂のことです。ですから、研膏茶とは、すり潰されて、脂のようにつやつやしたお茶のことです。普通の固形茶は、茶の葉を蒸し、臼で搗き、固めて乾燥したものです。しかし、研膏茶は搾にかけてから、杵と素焼の盆で、水を加えて、するのです。ですから、作り方が普通の固形茶に比べて、ずいぶんと緻密になっています。このような研膏茶は、唐の時代に宰相になった常袞という人物が後に左遷されて 福建の観察使となり、現地の開発に尽力し、その時に作ったものだと言われています。
蝋面茶ですが、昔の書物には、「蝋茶は、その乳が湯面に浮かび、蝋を溶かすにあい似たるがために、故に蝋面茶と名づくなり」と記されています。つまり、蝋茶は立てたとき、ミルク状のものが湯の上に浮かび、それが蝋を溶かしたのと似ているから、蝋面茶というのだと言っているのです。この蝋面茶については、唐の時代に『尚書、蝋面茶を恵まる』という詩があり、その中に、
武夷の春 暖かにして 月初めて円く
採摘せる 新芽は 地仙に献ず。
という一句があります。
このことから、蝋面茶が景勝の地である福建の武夷山で作られていたことが伺えると思います。
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