「始めてあう」
食いしん坊の植さん、宴に呼ばれるといつも下を向き食べてばかりいて、同席の人とも話さない。これを知った妻がみっともないという。
ある日、植さんはまた宴に呼ばれた。この日の同席者はこの前と大して変わらないのだが、妻の言葉を思い出し、今日は何が何でも一度は同席の人々に声をかけようと口をあけた。が、みんな「あんたとは始めてあう」という。
「何を言うんだ。この前だって同じ卓で食べたでしょう」
「ええ?この前の宴で同じ卓に坐ったって?」
「ああ!あの時は・・」と植さんは、当時食べた料理の名前を並べた。これに同席の人々は不思議がったが、黙っているだけ。植さんは苦い顔して黙ってしまった。
やがて酒肴が運ばれてきたので、植さんはいつものとおり、顔も上げずに食べはじめた。しばらくして同席の人々が言い出した。
「ああ、ああ!あの時確かに黙って飲み食いしているだけで、顔も上げない人がいたが、それがあんだだったのか!!道理で顔かたちがわからないわけだ。いまそれがやっとわかった!」とね。
次は「三蔵法師は生きたぞ」です。
「三蔵法師は生きたぞ」
朱さんは飲んだくれで、いつもぐてぐて。妻と息子はこれに困り、酒をやめろとか、そんなに飲まないようにいつも言うのだが、朱さんは耳を貸さない。そこで息子は考えた挙句、この日朱さんがぐてんぐてんになって帰ってきたので、これは今日は吐くなとおもい、買ってきた豚の肝を朱さんの吐いた汚物の中に入れたあと、水をくれと目覚めた朱さんにいう。
「父さん、父さん、ほら、大変だよ!父さんは飲みすぎて五臓六腑の五臓の一つを吐き出してしまったよ」
「なに?ほんとか?どれどれ?」と朱さんが息子に支えられ、汚物を見に行った。
「ほら、肝らしいものを吐いたじゃないか!これは命にかかわるに決まってらあ」
「ふーん!ほんとに五臓の一つの肝みたいだな」
「だから言ってんじゃないか、もう酒はやめろと」
これに朱さんはしばらく考えていたが、ふと何かに思いつきこう答えた。
「お前は三蔵法師をしってるだろ?」
「三蔵法師?ああ。それが?」
「三蔵法師は三つの臓しかないのに、生きて天竺に行ったんだ」
「え?なんだって?」
「それに比べ、俺は五臓のうち一つがなくなっても、あと四臓あるんだ!酒を飲んでも死んだりはしないよ。安心しな!」
これに息子はポカーンとしているだけだったと!
最後は、「妻の言いつけ」です。
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