さて、牢獄に入った廉広、こんなことになろうとは思ってもいなかったので、大声で泣き、かの山中であった爺さんに会いたいと叫んだ。
と、その日の夜、廉広の夢にかの爺さんが現れた。そこで廉広が何とかしてくれと頼むと
「お若いの、お前さんは鳥を描きなさい。そうすれば、それに乗ってここから逃げられるぞ」
「え?でもあの筆は県令にもっていかれましたよ」
「ああ。それは安心せや。わしが取り戻してくる」と爺さんはいう。
こうして廉広が目を覚ますと、近くにかの筆と紙が置いてあった。そこで廉広、牢獄の役人が近くにいないのを見て筆で紙に鳥を描いた。すると鳥は紙から飛び出したので、廉広は言われたとおりに鳥にまたがると鳥は廉広とともに小さくなり、牢獄の窓から外に飛び出て、またもとの大きさに戻り牢獄を離れた。
こうして鳥は廉広を乗せ、遠く泰山の山腹に飛び行く。そこにはかの爺さんがまっていた。
「お若いの。お前さんはどうして筆のことを人に言うのだえ?」
「それはその・・」
「だからこのことが世間にしれてしまうんだぞ。まあ、いいか。その筆はもう返してもらうぞ」
「わかりました。私が悪うございました」と廉広は筆を爺さんに返した。
そこで爺さんが「あんたもまだ若い。しかし、絵描きの腕は見込みがある。これからは正直に生きていきなさい」
こういうと爺さんはふと消えてしまったワイ。
今度は昔の笑い話、まずは、「始めて会う」です。
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |