そこで、魔物は一つの鉄の球を両手で持ち上げると、ワオーッと叫んで天になんとか放り上げ、落ちてくる球を足の指で受け取ろうとしたが、なんと重い球を受け取るどころか、指の骨を折り、足は血だらけ。これを見たアニは笑う。
「ははは!魔物さん、受け取るどころか怪我したじゃないの」
「くくっ!いてて!ふん、いまのは試しだ!」と魔物は痛みを我慢し、もう一つの大きな球を持ち上げると、力を振り絞って天に高々と放り上げた。
そして今度は硬い頭でそれを受け止めようとしたが、魔物は落ちてくる重い鉄の球に頭を潰され、その場にぶっ倒れた。
これを遠くで隠れて見いていた村人たちは、魔物が死んだので、急いでアニを囲み、この小娘の賢さと勇敢さを褒め称えた。
で、この日は旧暦の七月十三日だったことから、地元のミャオ族の人々はこの日を「魔よけ祭り」として次の年から大きく祝ったわい。
次は「夜譚随録」から「黄色い犬」です。
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