今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。
この時間は、少数民族ミャオ族に伝わる「賢い娘」、それに昔の本「夜譚随録」から「犬の恩返し」というお話をご紹介しましょう。
初めは「賢い娘」です。
「賢い娘」
旧暦の毎年七月十三日は、貴州にある黄平と施秉の二つの県に住むミャオ族の人々にとっては「魔よけ祭」の日である。
地元のじいさまがこんな話しをした。
むかし、むかし、ここら一帯に魔物がいた。その体は大きく、とても力があり、好物は牛や馬で、多くの農家の牛と馬が食べられてしまい、畑を耕したり、物を運んだりすることも出来なくなった。村人たちはこれに歯軋りして怒ったが、相手が魔物なのでどうすることも出来ない。そこで何とかしようと集まって相談した。そのとき、アニというしっかりした娘がいった。
「あたいがその魔物をうまく言いこめて退治するわ」
これにみんなは驚いた。
「アニ、お前は小娘なのにそんなことできるのか?」
「大丈夫よ。おじさんたち、頼むからたくさんの古い鉄を用意し、腕のいい鍛冶屋さん呼んできて。そうすればあたいが魔物を退治するから。きっとよ」
これに村人たちは喜び、早速アニのいうとおり多くの古い鉄を用意し、腕のいい鍛冶屋を呼んできた。そこでアニは、鍛冶屋の頼んで二つの大きな鉄の球を打たせた。そして球を草原に運び、渡し舟の大きさはある草鞋を作って、球の横に置いた。こうして次の日、一頭の牛をその草原に放ち、アニが近くに座り、魔物が出てくるのを待っていると、空に雲が立ち込め、風が吹き出したかと思うとかの魔物が出てきた。魔物、草原に牛がいるのを見てにやっと笑い、走りよって牛を食べようとしたところ、二つの大きな鉄の球が転がっている。
魔物は首をかしげた。というのは、一人の小娘が、自分を怖がらずに座っていて、近くに片方の大きな草鞋が置いてあるからだ。
「おい!娘、お前は誰だ?何でこんなところに一人でいる?」
「あたい?あたいはアニよ」
「アニか。で、その草鞋は誰のだ?」
「それ?それはあたいの父ちゃんのよ」
「おまえのとうちゃんの?」
「そうよ」
「そのとうちゃんとやら、足はでかいな」
「それはそうよ。魔物さんより大きいわ」
「え?じゃあ、あの二つの鉄の球は?」
「いつも手にして遊んでるものよ」
「なんだと?」
「そうよ。その鉄の球を天に放り上げて、落ちてくるのをゆで卵みたいに足の指で受け止めるのよ」
「なんだと?」
「魔物さん、あんたには無理かもね」
「うぬ!小娘が!この俺さまを馬鹿にしよって!」
「馬鹿になんかしてないわ」
「もう我慢ならん。小娘、みてろ!俺さまがやって見せてやる」
これにアニは忍び笑いし、信じない顔して魔物のやることを見ていた。
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