中国南部の広州市は、古くから重要な対外通商の港町で、かつて「海のシルクロード」の出発点でもありました。今日の番組では、広州の独特な風習、海を祭るイベント、「波羅誕」という縁日をご紹介します。
陽春の3月、第5回広州民族祭りと「波羅誕」縁日というイベントが広州市の南海神廟で行われました。南海神廟は、波羅廟とも呼ばれ、広州市の黄埔区にあり、今からおよそ1400年前に作られたお寺です。「波羅誕」縁日というのは、南海神という仙人の誕生日です。隋と唐の時代から歴代の皇帝は、この日、中央の役人を南海神廟に派遣し、この役人は現地の人々と一緒に国内外の船舶が広州港を出入りすることを祭ります。
南海神廟は海の神を祭る中国最大のお寺で、敷地面積が3万平方メートルあり、境内には、海のシルクロードと広州市の歴史に関する資料などが展示されています。「波羅誕」縁日は、広州周辺で規模が最も大きな縁日で、旧暦の2月13日に行われます。
今年の縁日は、例年よりずっと盛大に行われました。広州で行われる第16回アジア大会の宣伝もだんだん賑やかになってきました。今回、およそ1万人の観光客が参加しました。
今回の「波羅誕」縁日では、およそ百人が踊りを披露し、およそ千人が歌を歌います。この中で最高齢は今年105歳の李艶さんです。李さんは、車椅子に乗っていますが、ご主人は李艶さんを車椅子に乗せてパレードにやって来ました。ご主人の李さんはアジア大会を迎える気持ちを語ってくれました。
「アジア大会を迎えることをとても光栄に思います。今朝、7時に起きて妻と一緒にきました。私たちは毎日運動しています」
およそ千人の合唱団の責任者、楊秋彬さんは、この合唱団を紹介してくれました。
「千人が同じTシャツを着ています。Tシャツには、広州アジア大会をアピールするスローガンが書かれています。私たちのスローガンは2つあります。一つは『情熱アジア大会、調和のアジア、もう一つは、広州、頑張れ、アジア、頑張れ』です」
広東省普寧南山英歌舞は、中国無形文化遺産に登録された舞踊で、このイベントで披露されました。広東省では、伝統的な祝日やおめでたい日になると、この歌舞団の団員と市民が集まって太鼓や銅鑼をたたいて、英歌舞を踊り、祝日を祝います。南山英歌歌舞団の陳来発団長は、こう語りました。
「私たちは初めて広州市で舞踊を披露しました。この舞踊には、武術、体育、舞踊、音楽などの要素が融合してます。先輩たちが、かつて上京し、故毛沢東元主席と故周恩来元首相の前で披露したことがあります。去年、私たちはオリンピック関連のイベントに参加して、天安門広場で世界の人々の前で踊りました」
3月9日、旧暦の2月13日は、南海神廟の縁日です。この日の午前9時前、観光客らは南海神廟の前に集まり、伝統的な民俗イベント、「5人の子供が、王様を拝謁する」を見ます。地元の資料によりますと、昔、ある年の夏、潮が満ち、沖から大きな丸太が漂ってきました。この丸太は現在の南海神廟のある場所に流れ着くと、波にいくら洗われても動かなくなりました。村人は、この丸太を6つに切断して、一番端の部分で海神の像を作りました。残りの5つの部分で海神の5人の子供の像を作りました。この5つの像はこの近くの15の村で祭られることになりました。
明の時代から、「波羅誕」という日になると、15の村の村人は、5つの子供の像を担いで南海神廟に来て、南海神の誕生日を祝います。村人は、好天に恵まれ豊作になるよう祈ります。
「波羅誕」縁日には、もう一つ重要なイベントがあります。それは、「花朝節」です。伝説によりますと、唐の時代の女王、武則天は、花が大好きだったそうです。毎年2月15日、つまり、「花朝節」になると、宮殿の召使が、花をつみ、米を粉にして、花と米の粉を蒸してもちを作ります。このもちはとても美味しいので、民間の人々もまねして同じ様な方法でもちを作って食べるようになりました。「花朝節」の間、人々は、郊外に出かけます。女の子たちは、色とりどりの紙を花の枝に貼り付けます。これは、紅を楽しむといいます。
「花朝節」というイベントでパフォーマンスを披露する学生の団体がいます。責任者の馬さんは、学生の舞踊を「今年の『花朝節』、学生30人がやってきて、木綿の花という舞踊を披露しました。私たちは数年間この活動に参加し続けてきました」と紹介しました。
主催側によりますと、「波羅誕」縁日の規模と影響力が毎年大きくなっています。今後より多くの広東省の民俗や風習がここで披露されることになっています。皆さん、もし、広東省の風習をご覧になりたいなら、来年の「波羅誕」縁日には、是非広州にいらしてください。(担当:任春生)
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