春になったからといってそう簡単に薄着をしてはいけません。北京のおとしよりはよく「春捂秋凍」(春は厚着、秋は薄着)と言います。「捂」には「かぶせる」「おおう」という意味があります。そして「春捂」とは、「春先に少し暖かくなったからといって、すぐに薄着をするのは禁物、少しずつ身体を春に合わせていくのだ」という意味です。また、「秋凍」とは、「涼しくなり始めた秋口に、すぐに厚着をするのは禁物、少しずつ身体を冬の寒さに耐えられるよう鍛えていくのだ」という教えです。
3月に入り、北京も暖かくなってきました。若者たちは早速薄着に切り替えましたが、朝晩の温度差のせいで風邪を引く人も少なくないようです。さて、「春捂」の時期には、体のどの部分をケアしなければならないのでしょうか?今日の番組でお伝えします。
まずは腰眼(ようがん)です。腰眼とは腰骨の上の脊椎の両側のつぼです。腎臓は本来、体の本(もと)で、特に腎臓の陽気(腎火という)は 生命の原動力です。腰は「腎の府(ふ=集まるところ)」といわれるほど腎と密接な関係にあります。カイロなどで腰眼のところを温かくすると、腎臓を保護する効果があります。腰痛、冷え性、頻尿、疲れなどの症状の改善が期待されます。
次ぎはおへそです。漢方では、おへそを神阙と呼びます。おへそを暖かくすると、脾臓と胃の陽気が増えます。特に胃の病気がある人、よく下痢をする人は、おへその保温に要注意です。
3つめのポイントは背中です。背中には脊髄および経絡があり、心臓や肺とつながっています。この部分をきちんと保護しなければ、風が背中を通じて体に入り、病気を引き起こす可能性が高いです。実は、ベストなどを一枚加えるだけで、背中を保護することができます。
そして4つめは、ももです。初春は気温が下がりやすく、偏頭痛や腹痛などの症状に襲われる人が少なくありません。漢方では、これらの症状は肝臓の陽気が足りないからだと言われています。
気温が大幅に上昇していない場合、できれば一気に薄着をしないでください。ただし、温度が20度を超えたら、適度に減らす必要があります。汗が出て風にさらされると、かえって体によくありません。特に朝晩の温度差が大きい場合は、柔軟に調整しましょう。着たり脱いだりするのが面倒くさいなどと考えないように、温度によって調節しましょう。
ヘルシー中国、今日は春の養生についてお伝えしました。
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