では、いくつか手軽に作れる簡単で美味しい精進料理のメニューをご紹介します。
まずは、主食の一つ:
【さつまいもご飯】
★材料(4人分):さつまいも 80g;米 300g;塩、お酒適量
★作り方:①米は炊く30分前に、よく洗ってざるに上げておきます。②さつまいもは1センチ厚さくらいの乱切りにして10分間くらい水にさらし、水気を切ります。③炊飯器の内釜にお米を入れ、炊飯器の目盛りどおりの水を入れ、塩少々、酒大さじ2つ、そしてさつまいもを加えて普通に炊きます。
★特徴:お酒がほのかに香る絶妙なおいしさですね。主張しない味付けなので、他のおかずともよく合います。
日本でも、豆ご飯とか、いろいろな炊き込みごはんを作るし、炊き込みご飯の素という具入りの汁みたいなものも売っていますが、サツマイモのご飯は、とてもシンプルですね。
次は、中華精進料理の名物とも言われる一品:
【素炒蟹粉(蟹のほぐし身の炒め)】
ちょっと待って、蟹のほぐし身は精進料理の食材になれますか?中華精進料理の趣の一つは、思いもよらぬ料理が思いもよらない食材で作られているところですね。「原材料は一体何だ?」ってあてながら食べること。素直に食材を知って食べても美味しいんですが、肉や魚や甲殻類そっくりにつくられてるものが、実は全く別の材料ってことがわかっていると、面白みがいっそう増すでしょう。では、何で蟹のほぐし身をつくるかというと、何とニンジンとじゃがいもです。さて、どうやって蟹にするか、興味がございましたら、ぜひ聞きくださいね。
★材料:じゃがいも1個;にんじん1本;干し椎茸1個;卵白1個の半分;ショウガ1かけ;米酢、黒酢、砂糖、塩、ピーナッツ油適量;
★作り方:①じゃがいもは皮付きのまま4つに、にんじんは皮をむいて2つくらいに切り、蒸し器で20分ほど蒸し、それぞれよくつぶしておきます。
②干し椎茸は戻してごくごく薄く切り、ショウガは1/4量をみじん切りにし、残りは細く千切りにしたら、2種類のお酢、砂糖、塩を合わせた甘酢に漬けておきます。
③中華鍋を熱し、ピーナッツ油をかなりたっぷり熱したら、あまり熱くならないうちにショウガのみじん切りを入れて炒めます。
④香りが出たところでニンジンを加え、さっと炒めたところに塩、紹興酒、みりんで軽く味をつけ、酢漬け千切りショウガを加えて炒めます。
⑤じゃがいもを加え、火を弱めの中火にしてゆっくりと水分を飛ばしながら炒めます。
⑥じゃがいもの水分が飛んで、ベタついた感じがなくなってきたら、何となく蟹のほぐし身に見えてくるはずですね。よく溶きほぐした卵白を少しずつ加え、だまにならないようしっかりと炒めまぜます。
⑦ショウガの漬け酢を加え、味を見て物足りないようなら、塩、砂糖で味を整えて出来上がりです。
★特徴:主材料はじゃがいもとにんじんのはずなのに、そこはかとなく蟹の風味がしますね。通常精進料理には卵は使いませんが、蟹肉の風合いを出すために卵白を使いました。拘りのある方なら、使わなくても大丈夫ですね。また、干し椎茸も蟹肉っぽく見せるための演出ですから、使わなくても構いません。
精進料理というと、野菜中心のあっさり料理というイメージを持っていた人もいるかもしれませんが、実は栄養と、見た目と、味にこだわったとても、奥の深い料理ですね。人が生きるためにはどんな栄養素が必要なのかという事を、経験の中でつかみ取っていた先人達が、それを肉抜きで形にし、体系化していったのが、精進料理というわけですね。「食」は生きる動力で、人生の楽しみの一つでもあります。精進料理にしてもどんな料理にしても、何を食べるのは個人の自由です。ただし、科学的でヘルシーに食べるには智恵が必要ですね。(1月17日オンエア「イキイキ中国」より)
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