社会の進歩に伴い、細菌が引き起こす伝染病は次々に治療法が確立されていますが、高血圧、冠状動脈性心疾患、脳血栓、糖尿病など、生活が豊かになった事で増えている病が人々の健康を脅かしています。これらの疾患は高脂肪、高コレステロール、そして高カロリーな飲食に関係します。

　飲食によるカロリー摂取が高すぎると、人体の消費能力をオーバーし、余分な脂肪が体内に備蓄され、太りやすくなります。医学上では、標準体重を20％オーバーすると、肥満と呼ばれます。中国の都市部では、肥満人口が10％に達しています。つまり、10人のうち一人が肥満です。アメリカ国立がん研究所の研究員が481人のすい臓がん患者及びがんにかかったことの無い2099人以上の成人をモニタリングした結果、タバコや遺伝のほか、肥満、高カロリーな飲食習慣のある人、酒好きな人、糖尿病患者などがすい臓がんにかかるリスクは普通の人より高いことが分かりました。肥満や高カロリーな飲食習慣のある人がすい臓がんを患うリスクは普通の人より70％以上高くなります。また、一週間のうちに野菜を4回以上食べる人は、1回以下の人よりすい臓がんにかかるリスクが50％から60％少なくなります。中国の統計では、肥満の人が高血圧や冠状動脈性心疾患、または糖尿病にかかるリスクは、それぞれ4.5倍、2.5倍と3倍高いことが分かっています。

　アメリカの研究院が7500人の成人の飲食状況を調べたところ、果物、野菜、穀物及び低カロリーな食べ物を大量に食べる人は、高カロリーな食べ物を好む人と比べて、より多くのカルシウム、鉄分、カリウム、ビタミンＡとＣを摂取していることがわかりました。ワシントン大学付属病院の研究では、35歳から82歳までの36名を"低カロリーな飲食を3年から15年続けたグループ"と"典型的な西洋式の飲食が習慣化しているグループ"にわけました。体重、性別、身長などが異なるため、カロリーの摂取量もそれぞれ異なります。研究結果によりますと、カロリーの摂取を厳しくコントロールした場合、糖尿病、心臓病、脳卒中などの病気にかかるリスクが明らかに減少することが分かりました。低カロリーな飲食を続けたグループは、50歳、60歳になっても、若者と同じようにこれらの病気にかかる割合が低いという結果になりました。つまり、カロリーの摂取をコントロールすると、老化に伴ってかかりやすくなる病気を効果的に予防することができるのです。

　世界には、人の寿命に影響する要素がたくさんあります。例えば、社会、経済、遺伝、環境など、どれも寿命を左右するものですが、研究で明らかになったように、低カロリーな飲食は老化を逆行することができるという特徴があります。人体は蛋白質と脂肪を過剰に摂取すると、消化系統に負担がかかり、消化不良を起こします。消化されていないものが長い間腸に止まると、毒素やガンに繋がる物質がたくさん生まれます。これらの有害物は健康を著しく損ない、腸の病気を招くだけでなく、腸に吸収されて中枢神経系を傷つけ、老化を加速します。摂取されたエネルギーが多ければ多いほど、活性酸素が多く生まれ、老化のスピードも速くなります。

　低カロリーな飲食とは、蛋白質とビタミン、ミネラルを確保することを前提として、脂肪分や甘いものの摂取を控えることです。そうすると、旺盛な生命力を維持できると同時に、肥満を防ぐ事もできます。長期的に低カロリー生活を続ける事はつまり、健康に良く、長寿の秘訣なのです。（ooeiei、中原）