パソコンは日本でも中国でも幅広く普及していますが、パソコンを使ってゲームやチャットに夢中になることは健康によくないと言われています。一方で、ある研究では、お年寄りがパソコンを使うことによって、認知症にかかるリスクが40%減少するとの結果が明らかになりました。
認知症は、後天的な脳の器質的障害により、いったん正常に発達した知能が低下した状態をいいます。単に老化に伴って物覚えが悪くなるといった誰にでも起きる現象は含まず、病的に能力が低下するもののみをさします。
西オーストラリア大学の研究者が65歳から85歳のお年寄り5000人あまりに対して8年間の研究を行いました。この研究はオーストラリアで1996年に始まった、研究時間がもっとも長いと言われている『健康と老衰』に関する研究の一部だそうです。
研究結果によりますと、パソコンを利用しない人と比べて、日常的にパソコンを使っているお年寄りの認知症にかかるリスクが30%から40%低いことが分かりました。この結果は年齢、教育程度、社交性、うつ病、健康状態などの要素による影響を受けないということです。また、パソコンをよく利用するお年寄りはより若く、社交活動でより積極的で、うつ病の発生がより少なく、体もより健康だそうです。
世界の人口の高齢化が加速しつつあり、2025年までには、認知能力の低下や認知症を患う人の数が5000万人に達すると予想されています。認知症の早期の症状には、周りの人の名前や約束を忘れたり、物をよく忘れたり、運転、個人資産の管理など慣れていることをやるのが難しくなったり、気分が不安定で、よく怒ったり、疑い深くなったりすることがあります。
専門家は、認知能力を刺激する様々な活動により、認知症にかかるリスクを減らすことが出来ると見ています。パソコンを使うことは脳の刺激にプラスとなり、認知能力を高め、認知症を防止することができます。この研究結果を見ると、お年寄りがパソコンなどの新しい技術を受け入れることは重要なことがわかります。積極的で健康なライフスタイルを保ち、運動を心がけ、食事のバランスを取り、心身の健康を保つことも大切です。
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