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釣魚島問題の影響で日本経済への影響

2012-09-26 14:57:31     cri    

 9月10日以降、中国政府の再三に渡る厳正な交渉を顧みず、日本政府は中国の領土主権を侵害し、中国の釣魚島とその付属島嶼をいわゆる「国有化」したと発表しました。このことが現在、両国のあらゆる関係にマイナスの影響を及ぼしています。国内の一部の都市ではデモ行進が行われ、同時に、日本観光や、日本メーカーの自動車、家電製品などの販売にも明らかに影響が出ています。では、日本政府のこの「島購入」によって、中日の経済貿易にどのような影響をもたらすか?今日のビジネス最前線で見てみます。

 釣魚島問題は、すでに中日の経済貿易活動に不利な影響をもたらしています。まず最初は観光業です。中国康輝観光グループは先日声明を発表し、傘下の220社5500店舗がすべて日本ツアーの発売を停止し、日本観光をストップします。康輝旅行会社の北京のある店舗の店長さんは「本部からの知らせを確かに受け取りました。日本への観光ツアーをすべて停止するよう要求されたのです。我々は歩調を合わせます」

 市民の反応は「釣魚島は終始我々中国の領土です。これはみんなが一致して想っていることですから、中国人は団結して抗議し、経済の分野で抗議すべきです」

 北京のある日系自動車販売店の関係者の話です。「元々契約した注文書ですが、現在多くのお客さんが取り消しを求めています。9月に入って10日ぐらい経って30台から40台の売り上げでしたが、現在は10台ぐらい、半分にも足りません」

 統計によりますと、今年、トヨタ自動車は中国市場での販売台数が7万5300台、去年同期より15.1%減少、マツダは1万6359台、去年同期より6%少なくなりました。中国自動車工業協会がこのほど発表されたデータによりますと、今年の8月、日系自動車の売り上げは昨年比2%減少し、ドイツ系とアメリカ系の自動車がそれぞれ25.3%と21.2%増えたとのことです。

 市場の反応について、中国商務省の姜増偉次官は13日、「中国領土主権を侵犯する日本側の行動は、何の疑いもなく、中日の間の経済貿易関係にマイナスの影響をもたらすだろう。日本側が適切に処理してほしい」と表明し「釣魚島および付属島嶼は古くから中国の領土である。中国は争う余地のない主権を持っている。日本のいわゆる『国有化』は違法で無効だ。中国は断固として反対する。日本のこの行為に対して、中国の消費者が理性的な形で自分の立場と考え方を表明することは、自分の権利であり、理解できる」

 中日間の貿易は一つ重要な特徴があります。日本から大量の原材料、例えば、高精密の鉄板、車の部品及び各種機械などを輸入し、中国の一部の部品と一緒に組み立てて、中国で製品にします。出来上がった製品は一部日本に戻しますが、大部分はその他の国に輸出します。そうした輸出も間接的に日本の輸出と言えるわけです。このように、両国の貿易関係はとても緊密です。もし本当に関係が悪化する場合、日本への影響はもちろんより大きいです。

 現在、日本メーカーの製品をボイコットする行為が広まっています。このことについて、外交学院の江瑞平副院長は自分の考えを語りました。「日本系製品ボイコットの結果は、すでに現れています。1月から7月まで、中国側の統計では、日本の対中輸出は5%から6%のマイナス成長となりました。つまり、日本の対中輸出はすでに減少しています。現在、日本国内の経済情勢が非常に良くないので、経済の回復を主に輸出に頼っています。中国はすでに日本最大の輸出市場です。釣魚島のいわゆる『国有化』にしたがって、政治の対立は日本の対中輸出の更なる減少を招き、日本経済の回復にとても大きな衝撃と影響をもたらします。

 第二に、日本国内の消費がとても低調で、中国の観光客を誘致し、日本で買い物してもらうのは、日本国内の消費を刺激する重要な手段の一つです。しかし、この事件によって、日本への中国人観光客が大幅に減りました。第三に、日本経済にはいろいろな問題があったにもかかわらず、ハイテク技術の製造業は強い競争力があります。しかし、これらのハイテク企業、ハイテク製品には欠陥があります。一部の戦略資源は輸入に頼っています。中には中国からの輸入が欠かせません。例えば、日本の50%のレアアースは中国から輸入したのです。」

 日本政府の釣魚島「国有化」は日本経済にダメージをもたらすばかりか、中国経済にも一定の影響をもたらします。しかし、綜合的に見れば、日本経済へのダメージは中国経済への影響より明らかに大きいものです。データが証明するように、中国との貿易は日本の貿易総量の20%を占めています。しかし、対日本の貿易は中国の対外貿易の中で10%以内です。今年の1月から7月までは、8.8%しか占めていませんでした。また、去年の東日本大地震後、日本経済はとても不景気で、企業の欠損が多かったです。しかし、日本企業が何とか命を保っているのは、海外市場、特に中国での業務があるからです。もし、日本企業の中国における業務が大きなダメージを受ければ、日本の一部家族企業、有名な企業は、大きな衝撃を受けるに違いありません。

 では、日本に対して経済制裁を行うのは妥当かどうかについて、中国社会科学院日本学会の白益民理事の考えは「慎重に行うべきです」。「日本の経済界と政治界の中国に対する考え方は実は異なっています。日本の一部政治家は、日本の経済は中国だけに頼らず、東南アジア、インド、その他のブリックスに移すべきだと考えています。しかし、日本の経済界は、長い間中国へ投資してきていますし、経営の慣性があるから、中国で根を下ろし発展したいと考えているのです。ですから、日本に対して経済制裁を行うとき、慎重に行わなければなりません。日本の経済界と政治家の異なる立場を区別すべきです。」

 一方、アジアを中心するアジア市場を失えば、日本経済にとって致命傷になるでしょう。外交学院の江瑞平副院長の話しです。「個人的に見れば、日本は耐えられません。もし中日の経済関係が悪化すれば、両国の経済に共に影響しますが、特に日本経済への衝撃と影響、あるいはダメージがより大きいか巨大です。なぜかというと、日本は内外共に困難を抱えています。まず、国内では、90年代以降、日本はずっと経済不振が続いています。政治も混乱し、どの政党、どの政治家を選べばよいのか分かりません。このような状況で、政権政党、首相が相次いで変わっています。誰かがほらを吹いて人騒がせなことをすれば、より多くの有権者を引きつけます。しかし、それは実践が証明しているように、日本自身により多くの災害をもたらしました。

 経済、マクロ経済からみれば、90年代以降、日本はいわゆる失われた10年と言われましたが、今から見れば失われた20年といえるでしょう。ミクロ的に見れば、日本企業の一部の有名な企業は、中国に対してだけでなく、国際市場でも強い成長力と影響力がありました。しかし現在、これらの企業が相次いで倒産しています。日本製品と同じようにつぶれています。対外的には、ロシア、韓国、中国と島を争っています。経済面でも不利です。日本経済は輸出に頼っていますから、もし中国を中心とするアジア市場を失ったら、景気回復にとって致命傷となるでしょう」

 今回の釣魚島問題で引き起こした中日間の争いは、2001年から2005年の中日関係を思い出させます。当時、東京支局に特派員として駐在しましたが、小泉首相の靖国神社参拝で中日関係がどん底に陥り、経済関係に大きなダメージをもたらしました。7年前の中国は現在の中国とまた違います。日本はこのことについてはっきりと認識してほしいです。

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