今月末から中秋節と国慶節の8連休があります。中国の秋のゴールデンウィークです。今回の連休は長いため、海外旅行が人気だそうです。国内旅行はマイカーで出かける人が増えるでしょう。なぜかというと、新しい車優遇政策が発表されたからです。高速道路通行料の無料化です。
先日、中国交通運輸省が、国慶節の高速道路無料期間について具体的スケジュールを発表しました。中国は春節(旧正月)や清明節、メーデー、国慶節など主要な祭日期間中は、7席以下の小型乗用車の高速道路料金を無料化します。
発表によると、2012年国慶節の高速道路無料期間は、9月30日午前零時から、10月7日24時までの8日間となります。
マイカーを持っている人にとっては朗報です。実は今年の春節には、一部の地方で時間限定の通行料無料化が実施されましたが、全国統一での実施は今回初めてです。
中国の高速道路の通行料をめぐっては、国内の論争が激しいようです。一言で言えば高いです。例えば、北京から天津にいく場合、190キロしかないのに、料金所が2つあり、それぞれ15元と40元、あわせて55元(684円)、往復なら110元(1368円)かかります。ガソリン代を加えると、かなり高くなります。
日本の場合は、もっと全然高いですから、例えば、東京から静岡までが大体160キロなんですが、片道4100円ですから。ただ、日本の場合、ETCを利用すれば、ずいぶん徳するみたいです。調べましたが、通勤割引、早朝夜間割引、深夜割引、平日夜間割引、平日昼間割引、休日特別割引、30%オフから50%オフまで。中国はなかなか及びません。中国はETCの割引がほんの少し、5%オフです。しかも時間帯ごとの区別なし。
高速道路料金は、実はこの中から道路資産の貸付料として機構に納付し、機構はこれを原資に、債務の償還に充てるというものです。つまり、償還が終われば無料になるということだったんですが、それがそうでもありません。中国も同じシステムですが、期限オーバーしても引き続き料金を徴収している高速道路が数少なくありません。
北京を例として、すでに9本の高速道路が期限オーバーしました。首都空港高速道路は1993年運営し始め、その料金徴収の期限は20年。来年は無料になるはずですが、締め切りが何回も延長されたそうです。
利益に関わる問題ですから、政府の規定も力を失いました。今回の期限限定の無料については、高速道路を経営する会社は文句言っているそうです。政府の行政命令で企業の利益を損ないました。
高速道路は基本的に公益性のものですから、完全に商業化されてもどうかと思いますね。企業は企業で、銀行のローンを返済し、従業員に給料を出し、道路の安全維持などをしなくてはいけませんから。
高速道路の通行料が無料となり、より多くの車が高速道路に入り込んで、高速道路が渋滞して低速道路となるリスクもあるという考え方あります。
この高速道路無料化というのは、日本でもいろいろ取りざたされていますが、ある意味で、経済的な考えかたを勉強するいい材料なんです。そういう目から、いつかもう一度考えてみたいと思います。効果がどうなるか、連休が終わった時が明らかになると想います。
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