先週の水曜日、15日の朝から、宣言どおり、家電製品電子商取引大手間の価格競争が始まりました。京東商城、蘇寧易購、国美商城の中国電子商取引大手3社の家電製品ネット販売価格が真っ向から対抗して、どこも一歩も引かない状態となりました。
その前の日の14日に、京東商城のCEO劉強東氏が、「蘇寧・国美の値段より10%安くする」と高らかに宣言しました。そして、15日午前、劉氏は北京の主要メディアの記者を招き、価格競争を行う目的と決意を説明しました。その上、ミニブログを頻繁に更新し、15日午後17時からは、ミニブログを使ったインタビューページで、ネットユーザーの質問に答えていました。
中国のB2Cショッピングモールでのシェア最大はタオバオモールですが、二番手が京東商城というところです。京東商城のCEO劉強東氏には、あだ名があるそうです。「価格破壊者」。2004年京東商城ができてから、2011年、売り上げが200億元(2492億円)を突破しました。
一方、蘇寧電器は家電小売販売大手で、190の都市に941店舗を展開しています。「中国企業500強」の59位、「中国民営500強」で第3位で、2009年に日本の家電量販店ラオックスを買収したことで知られています。2009年にはそれまで中国家電量販店の首位だった国美電器を抜き、中国家電量販店の最大手となり、2010年から電子商取引分野に進出しました。
蘇寧易購と京東商城のサイトを通して、以前から注目していたテレビの価格がどのくらい下がっているかを比較しました。例えば、あるブランドの52型3Dインターネットテレビの以前の価格は1万5000元でした。15日、蘇寧易購では1万1814元に下がり、京東商城も同じ価格まで下げました。しかし、京東商城のサイトの在庫表示は既に品切れとなっていました。
このように、価格が最低ラインまで引き下げられた商品が品切れとなる現象は、程度に差はあるものの、多くの電子商取引サイトで見受けられました。淘宝網のサーチエンジン「一淘網」が行っている「ECサイトの価格比較実況中継」を見ると、同じタイプの商品でも、蘇寧、京東、国美ではそれぞれ値段の差があり、品切れも発生していました。中でも、最安値まで引き下げられた商品の品切れは深刻でした。
「一淘網」の統計によりますと、15日19時の時点で、価格が最安値まで引き下げられた商品は、京東商城では346点、蘇寧易購では187点でした。しかし、ネットユーザーによると、京東商城では多くの商品の在庫表示が品切れとなっていました。
15日に臨時のメディア交流会を開催した劉CEOは「この度の価格競争は以前から準備を進めていた。ただ時期を予定していた第4四半期から第3四半期に前倒しした」と説明しました。前から準備してきたなら、十分な在庫を用意するのも準備の一つではないでしょうか?
3年前、京東が家電製品の分野に参入してから、京東商城は毎年150%の成長率を維持しており、蘇寧の規模との差もほとんどなくなりました。そのような状況の中では、双方の熾烈な争いは避けられないです。双方が正面から真っ向勝負をしている頃、商品仕入れの面で後方支援が確保されているかということに世論の注目が集まりました。
海爾集団(ハイアール・グループ)電子商務総経理の宋宝愛氏は、インタビューで、「京東商城の価格があまりにも低すぎるため、我々ハイアールは2012年8月から既に提携を解除している。国美と蘇寧とはまだ提携を維持している。両者は一元的な集中購買であるため、我々も外れるのは難しい」と答えました。しかし、その後、ハイアール電器宣伝部門は、「ハイアールは京東との提携を解除する旨を発表しておらず、更なる事実確認が必要だ」と表明しています。
ここ2年ほど、国内の大手家電量販店は揃って、電子商取引事業を始めており、ネット販売の分野で足場を固めています。家電量販店はどこも、将来的にはネット販売が主流になることをはっきり認識しており、この分野での戦略において、失敗したくないと考えています。しかし、電子商取引での価格競争に不満をあらわにするメーカーもいます。
京東商城に端を発したこの競争に対し、メーカーの意見は分かれました。劉氏は「14日に価格競争を開始すると決めてから、京東は急いでメーカーとの話し合いを行ったが、1/3のメーカーが不支持を示した。サムソンやシャープのような海外ブランドが主に不支持に回った」と話しました。
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