中国遼寧省西部の山の奥に一人の聾唖の郵便配達人がいます。
彼は、毎日、バイクに乗り、ここに住む5000戸あまりの人に郵便物を届けています。彼は年間約2万5000キロを走り、1万通以上の郵便物を届ける、村民が最も尊敬している「聾唖の郵便配達人」なのです。
中国遼寧省西部に位置する北票市龍潭郷。山のふもとに5000戸の家が夜空の星のように散らばっています。このあたりの村を結ぶ道路状況は良くないので、これまでの十数年来、郵便配達を続けてきたのは、37歳の黄偉だけでした。龍潭郷の郵便ルートは二つがあります。一つは郵便支局の北にあり、龍潭郷の60%以上の村を結んでいます。もう一つは、郵便支局の西部と南部で、郵便物を届けると次のところまでは、大体10キロ以上離れています。
黄偉の母親・王樹霞は「郵便局から出発し、三家樑、龍潭、馬架子などへはアスファルトで舗装された道路ではありません。送金に行ったことがありますけど、怖かったですよ。でも、息子は一人で配達してますが、怖くないと言いっています」と紹介しました。
この山奥の郵便配達人は、郵便物だけではなく、送金や新聞など、各種の生活用品や農業用品の調達をも担当しています。毎日朝、黄偉は一年間365日休みなく支局に来て、手紙や日刊紙、日常用品などを二つのかばんに入れ、各村に向かいます。
声がでない障害に対して、母親・王樹霞は「彼は声が出ませんが、家には笛があります。笛を吹いたら相手が出てきてくれると教えてあげました」と述べました。
こうして、黄偉の笛の音は龍潭郷の至るところで鳴りました。また、時間を節約するため、黄偉はノートに各村の位置や5000戸の姓名、住宅番号、方向を記録しています。
これまでの十数年、黄偉は25万キロの道を走り、6万通の郵便物を届けました。
支局の馬暁波局長は「小包や書留、EMSなどすべての郵便物は、本人からサインをもらい、100%の正確に配達されています。その仕事ぶりは皆から認められています」と述べました。
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