中国の切り紙細工は今から2200年ほど前の西漢の時代から始まり、紙を使って、鋏などでさまざまな図案を切り抜くものです。これは中国の伝統的な工芸のひとつです。新年と節句を迎える時、赤ちゃんの誕生と結婚をお祝いする時、お葬式を行う時、また豊作を願う神祭りなどの時などなど、切りぬいた紙を壁や窓に張ります。
民俗工芸の達人と言えば、大体お年寄り、年をとる人のことを指しますが、今日は40代の切り紙の達人・無錫市に住む陳静怡さんについてご紹介します。
無錫市恵山区に住む陳静怡さんの家に入ると、リビングルームやダイニングルーム、キッチンなどの壁には彼女の作品が張られ、ソファーや茶卓などの上にもその作品が置かれているのを目にします。
陳静怡さんは1988年、上海華東師範大学を卒業した後、現地の刺繍工場に就職しました。子供の頃から大好きな紙を切り抜くことも彼女の趣味となりました。
陳静怡さんは「隣人はよく赤い紙で喜びという漢字が二つ並ぶと言う字を切り抜いているところをよく見ました。私もその時から、切り紙が好きになり、その隣人から紙を切り抜く基礎を学びました。私は切り紙の美しい線や紙のにおいなが大好きです」と述べました。
好きな絵さえあれば、陳さんはすぐに鋏を持ち、絵を見ながら紙を切り抜きます。その作品はどちらも本物そっくりです。
実家の壁にかけられた、中国の清の時代の小説『紅楼夢(こうろうむ)』に出た十二人の美女の作品は彼女の手によるものです。彼女にとって、その数多くの作品の中でも一番好きなものです。多くの人は高い値段でその作品を購入したいと言いますが、陳静怡さんに断られました。
陳さんは「何回も繰り返して作ったものです。人物と置物の配置、原作のポイントなどをよく考えました。完成まで4ヶ月間もかかりました」と述べました。
陳静怡さんは「私がよく動くタイプで、同じことを繰り返すことが好きです。原作に従い、素晴らしい作品を作りたい」と言いました。2000年、テレビ局のCCTV・中央テレビは陳静怡さんのことを報道しました。
陳さん「CCTVの「半辺天」(女性が天の半分を支える)というテレビ番組の取材を受けた後、切り紙の実演で中国の各地を訪れました。国内や国外での切り紙の実演で、一度も失敗したことがありません」と述べました。
2001年10月、中国民間工芸美術展が北京で開催されました。彼女は10の賞の内、6つの賞を手に入れました。
2003年、陳静怡さんの作品が伝統的な芸術作品を収蔵する中国百工坊により収蔵されました。近年、彼女の作品「三国演義」、「西廂記」、「敦煌女」などが日本やアメリカ、ニュージーランドなどで開催された展示会に出展し、高い評価を受けました。
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