中国の子どもたちがよく首に巻いている「紅領巾(赤いネッカチーフ)」を見たことがありますか。あれは「少年先鋒隊員」のしるしで、中国の国旗・五星紅旗の一角を意味しています。小学校で成績の優れた生徒だけが赤いネッカチーフの着用資格を得られるのです。
でも、最近、陝西省・西安のある小学校では、グリーンネッカチーフが現れたのです。『環境に優しい生徒へのご褒美ではないか』と勘違いをされる方もいますが、実はご褒美どころか、一種の罰ですよ。このグリーンネッカチーフは成績の悪い生徒に配って、強制的に着用させるものです。
学校側の話では、このグリーンネッカチーフを成績の悪い生徒に強制的に着用させることは、一種の激励策だそうです。グリーンのネッカチーフをつけられた子は、赤のネッカチーフをもらうためには一生懸命頑張って、自分の短所をなくし、いい成績を取るように努力しなければならないということです。
でも、小学生ぐらいの子どもに「いい子」か「悪い子」という「ラベル」をつけることは、どうも理解できませんね。これはかなり傷つくと思いますよ。自身を失くす子もいると思います。ですから、このことが報道されると大きな話題となりました。学生を激励する方法には、様々なやり方がありますけど、「悪い子」のしるしであるグリーンネッカチーフを強制的に着用させるなんて、「精神的な体罰」になると批判されていますよ。
小さい頃は成績が張り出されましたけどね、でもそれは壁に張り出されただけで、あくまでも成績上の評価です。しかしネッカチーフとなると身に着けているものですから、本人そのものを否定しているような感覚になり、これはかなり問題だと思います。小学校はそもそも義務教育ですね。小学生にとって、一番大事なのは成績ではなくて、身心ともに健全で楽しく成長することです。「いい子」か「悪い子」は、簡単に成績だけでは判断できません。どんな形のランク付けでも、小学生の成長にとっては大きな障害になると思います。
いくら子供の向上心を奨励すると言っても、このようなやり方は人間への尊重に欠け、人格教育にも欠けていますね。学校がどれほどよい成績だろうと、道徳や素質が不健全な教育はやはり失敗につながると思います。
そして、この件は結局多くの批判を招いたことから、陝西省のこの小学校はすでにすべてのグリーンネットチーフを回収して、このようなやり方を撤廃しました。今後とも、このような極端な奨励措置が二度と学校に現れないように願います。教育者は人を教育する前に、まずは自分自身の教育方法に目を向け、問題があるかどうかよく考えてほしいですね。(11/04 『イキイキ中国』より)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |