生活リズムが早くなるにつれ中国の都市部サラリーマンにとって、ファーストフードは日常生活に欠かせないものとなりました。ファーストフードと言えば、多くの人はマクドナルドやKFCのハンバーガーやフライドチキンなどを思い浮かべますが、中国では、ご飯や麺類の主食はもちろん、豆乳、焼パンなどのヤムチャ、軽食もファーストフードのカテゴリーに入っています。中華風ファーとストフードは実にバラエティに富んでいます。
欧米のものは、健康に良くないというイメージがありますけど、中国のファーストフードは健康にいいものもたくさんあります。ヤムチャなんかはしっかりした食事にもなります。中国調理協会の集計によりますと、いま、中華風ファーストフードの市場シェアは飲食業の22%を占めており、ファーストフード市場の8割もカバーしているということです。中華料理はお肉や野菜のバランスをうまく取っているし、食感も良くて、中国人だけでなく、外国人にも人気が高いですね。中華風のファーストフードは中国ならではの味を持っていると思います。
また、西洋料理の味付けに慣れない中国人もいます。中国に進出した外国系のファーストフードも中国人の口に合うように、ローカル化の道を探っています。例えば、いま、一部の欧米系のファーストフードは中華風のメニューを出しています。中国のKFCでは、「油条」(焼パン)や豆乳、ご飯がメニューに入っているし、朝食には、各種のおかゆも提供しています。また、聞いた話では、四川省のKFCでは、フライポテトを注文すると、伝統的なトマトソースのほか、四川風のビリ辛ソースもくれるそうです。地元の味に合うように工夫していますね。これら外国のファーストフード、中国の伝統的な祝日に合わせて、特別メニューを出しています。例えば、端午の節句になると、粽、中秋節になると、月餅が登場します!そのほか、中国のスターバックスでは、コーヒーだけではなく、中国の緑茶やジャスミンティーなども売っていますよ。これもローカル化の試みと言えますね。
飲食業は人々の生活に緊密に関わっているサービスですから、その国の文化や風俗習慣などに合わせるように、ちゃんと学ぶべきですね。味付けや種類などは確かにお客さんを集める重要な手段ですけど、ファーストフードなら、勝負はやっぱりスピードですね。中国のマクドナルドはこのほど「メードフォーユー(Made for you)」というサービスを打ち出しました。オーダーから客に運ぶまでの時間はなんと50秒以内という早さです。欧米系のハンバーガーやフライポテト、フライチキンなど、ほとんどは事前に作られたものですから、それを集めてお客さんに運ぶのはそんなに時間かからないんじゃないんですか。ところが、中華風ファーストフードなら、ちょっと手間がかかるでしょう。中華風ファーストフードの代表の一つ、「真功夫」を例に見てみましょう。その商品はほぼ「蒸す」必要のあるもので、蒸されて常に1時間ぐらいの保温時間が設定されています。そのため、オーダーから客に運ぶまでの時間はなんと45秒しかかからないということです。
西洋風のファーストフードと中華風ファーストフード、もう一つの違いは値段ですね。中国では、西洋風ファーストフードは中華風より、やや高いようです。セットを注文するなら、中華系はほぼ15元から20元前後で、マックやキャンタッキーなら、20元以上かかりますね。ピザハットならもっと高いですね。もともと中華料理は種類が多いので、値段設定も幅広いです。例えば、ラーメンや一般の丼などもありますし、豆乳に焼パンなどの軽食や、ヤムチャなどもありますね。
せっかくですから、皆さんにいくつか代表的な中華風ファーストフードを紹介しましょう。先ほど紹介した「真功夫」は蒸しご飯をメインにしています。台湾風の味です。そして、「馬蘭ラーメン」は名前どおり、ラーメンの店です。西北料理を生かしたファーストフードで、羊肉の串焼き、シシカバブもあります。また、「成都小吃」も庶民的な四川料理のファーストフードです。後いろいろあって、本当に数え切れないんですよ。これらのファーストフードのお店はほとんどチェーン店です。店のデザインや内装、店員さんの衣装は統一されていますので、それを見ると信頼感も増し、安心して食べられますね。グルメの話はきりがないですね。今後でも引き続き紹介しますので、ぜひご期待ください。(「イキイキ中国」より)
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |