チャン族中国で数千年の歴史を持つ古い民族で、言葉はありますが、文字を持たない民族です。この民族は人間と自然の共生を大切にし、自然を崇拝しています。しかし、3年前の四川大地震によって、30万人いるチャン族は10%も減り、特色のあるチャン族の建築はほとんどが倒壊してしまいました。三年が過ぎた今も、チャン族、そして、チャン族の文化はちゃんと受け継がれています。
新しく建てられた北川県、チャン族の文化街が県の中心部にあります。チャン族の伝統的な製品を売るお店が立ち並び、チャン族刺繍などの工芸品が人々を引き付けています。チャン族の刺繍は中国の無形文化財にも指定されています。刺繍のほか、笛もとても有名です。少数民族楽器ですね。実は四川大地震で、20件のチャン族の無形文化財が深刻な被害を受けました。また、12人のチャン族の人間国宝が犠牲となり、数百人が負傷しました。一部のチャン族の言葉話すお年寄りも亡くなったり、負傷したりして、いま、チャン族の笛を吹ける人はたった15人しかいません。
地震による被害、建物の倒壊など目に見えるものだけではなく、文化への被害など目に見えない部分も多いです。チャン族の文化を救うため、政府は生き残ったチャン族の民間芸能者を集めて、若者の育成に取り組み始めました。多くの若者は外への出稼ぎを諦めて、政府から給料をもらいながら、故郷に残って、チャン族の伝統文化を学んでいます。給料をもらえる一方で、勉強もできる。これはなかなかいい激励措置ですね。昔、チャン族の若者たちは古い伝統や文化などを学ぶことに興味がなくて、外へ出て行きお金を稼ぐことに夢中になっていましたが、地震の体験によって、自民族の文化や伝統を守るという気持ちを持つようになりました。そして、政府からの支援があるので、安心して勉強することが出来ますね。地震によってチャン族の若者たちの考え方も変わったということですね。望まなくとも、これまでになかった経験をして、自分の責任や、人生への理解がいっそう深まったんでしょう。
自然災害は残酷なものですけど、体験した人は、嘆いてばかりいないで、新しい知恵と勇気を与えられ、立ち直ろうとしています。四川の経験は、日本の被災地の人たちを慰めると思います。2つの被災地、ゆっくりでもいいから人々の気持ちを中心にして、地震から立ちあがってほしいです。自然災害はコントロールできませんが、自然環境を保護して、被害を最大限に防止することは必要です。また、たとえ自然災害が起こっても、人は知恵を絞りながら、一致団結して助け合い、互いに支えあい、いつかきっと新しい生活を迎えます。(「イキイキ中国」より 05/14)
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