新しい北川県に住んでいる張小キョウさんにとって、一番の幸せなことは、住宅団地で1歳半のお子さんを連れて散歩することです。実は、今年38歳の張さんが、母親になるのはこれが2回目です。 3年前、張さんはとても幸せな生活を送っていました。夫の劉進軍さんは人力車に観光客を乗せる仕事をし、張さんは小さな洋服屋を経営していました。そして、一家の宝である4歳になる娘の、融融ちゃんがいました。生活はそんなに裕福ではありませんでしたが、とっても幸せな一家でした。しかし、2008年5月12日、マグニチュード8.0の地震によって、すべてが変わりました。無数の住宅が倒壊し、幼稚園に行っていた融融ちゃんも亡くなりました。3年前のことを振り返ると、張さんは涙をこらえきれません。
毎日、夢で娘に会っています。幼稚園へ走って走って、必死に走っても、なかなかたどり着けないの」と張さんは娘への思いを伝えてくれました。
2008年8月、張さんと夫の劉さんは仮設住宅に引っ越しました。そして、自ら再建作業に参加しました。全国各地からのボランティアと共に新しい故郷を作るため精一杯に頑張っている張さんと劉さん、娘への思いを北川の再建に注ぎました。そして、2009年8月18日、息子の劉鵬ちゃんが生まれました。新しい命の誕生はきっと生きている人に無限の勇気と原動力をもたらすでしょう。
息子が生まれてから、張さんは新たな希望が持てるようになりました。そして、2010年9月25日、張さん一家は第一陣として、新しく建てられた北川県に引っ越しました。張さん一家は110平米の新居に移り、新しい生活をスタートしました。
一般の人から見れば、これは普通の生活かもしれませんが、地震を生きのびた人にとっては、何にもかえがたい生活ですよね。それから、張さんは新しい北川県でカーテンの店をオープンしました。そして、息子の将来について聞くと、張さんは「お医者さんになってほしい」と語り、未来に期待を寄せています。地震のときの体験が、息子さんを医者にしたいと思わせるようになったのかもしれませんね。
でも、今になっても張さんは時々娘のことを思い出しています。町で娘さんと同じ年齢の女の子を見かけると、一瞬、娘さんが誰かに助けられて、まだどこかで生きているのではないかと思ってしまうそうです。母親にとって、何人の子供がいても、その一人、一人が大切なもので代わりにはならないですね。
2011年3月24日までに、2556人の新しい命が四川大地震で子供を失った家庭に生まれました。これらの子供は天使のように、地震で苦しめられた心を慰め、新しい希望をもたらしています。(「イキイキ中国」より)
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