最近、中国では、結婚式、つまり披露宴を簡単に済ます傾向があります。そして、これまでになかった披露宴の儀式を全面的に手配してくれるサービス会社も数多く現れています。でも、中国の披露宴と言えば、いくつかの決まった伝統的な儀式があります。一番印象深かったシーンは新郎、新婦から初めて義理の母親に「お母さん」と呼びかけて、そして、母親から早速お祝いの赤い封筒をもらうという儀式でした。これは「口を改める」と書く「改口」式ですね。それぞれの両親に対する呼び名を変える儀式ですよ。その赤い封筒には礼金が入っていて、「改口費」とも呼ばれます。
礼金は、それぞれの家族によって違いますけど。私が知っているところでは、現在、新郎の母親は新婦に渡す礼金は「1万1元」で、これは新婦が万人の中から選んだ一人の素晴らしい嫁であることを意味しています。また、新婦の母親が新郎に渡す礼金は九千九百九十九元で、新郎新婦が永久に仲良く暮らすことを願う意味があります。これこそ、両親の子供に対する祝福ですね。中国の家庭では、長年にわたって息子や娘の結婚を重視してきました。昔の貧しい時代も、親は借金をしてでも式らしい式を挙げてやろうとしたものですよ。今でも、農村の一部の貧困地域では、息子のために嫁を迎えることが家庭にとって大きな経済的な負担なんです。
あとは、きらびやかなお迎えの車ですね。披露宴のとき、新郎が新婦を迎えに行く時は、高級車が列になります。まるでパレードです。これらの車には切花が飾られ、町を行く様子は非常に派手で華やかです。黒塗りの車に華が飾られて、初めて見たときは、ちょっと驚きました。実は、このお迎えの車は、かつて中国で、新郎が御輿で花嫁を迎えた伝統が変化してきたものなんです。ここ数年、多くの都市家庭で乗用車を所有するようになり、自動車レンタル会社も誕生しました。また、結婚サービス会社では、花嫁を迎える車の手配を重要業務の一つにしています。時には、「永遠に心を一つに」という「永結同心」のお祝いの赤い紙をナンバープレートに張り、結婚式の雰囲気を高めています。
そして、今、中国人の結婚式には、西洋式と中国式の二つの式典が混ざっています。純白のウエディングドレスを着た新婦さんが父親と腕を組んで階段を下り、父親が娘を新郎にたくし、夫婦二人でお互いを尊重し、いつまでも幸せに暮らすようにと伝えます。そして、結婚指輪を交わして、キャンドルに火をともし、未来を祝福します。その後、新婦は中国の伝統的な赤いチャイナドレスに着替えて、宴会が始まります。先ほど紹介した「口を改める儀式」など中国の伝統的な式典が行われます。宴会の時には、新郎新婦は各テーブルを回ってお客さんと乾杯しますね。そして、新婦は男性の来場者にタバコの火をつけてあげるのも恒例の行事みたいですね。
いま、中国人の結婚式は全体的に見れば、簡素化の傾向にあり、文化的レベルの高い人ほどその傾向がはっきりしています。人々は、披露宴は神聖なものにはちがいないが、形式的なものに過ぎず、より重要なのは、結婚後に二人が幸せに暮らすことだと考えているようです。(「イキイキ中国」より 03/31 )
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