中国は国土が広く、産物が豊かです。また、各地で気候も生態環境も異なっています。こうしたことから、その地方の飲食文化も異なり、それぞれ特徴を持っています。中国では「南甜北咸」「東辣西酸」と言われますが、これは南は甘く、北は塩からい。 東はからく、西は酸っぱいという意味です。
「ところ変われば、品が変わる」とよく言われていますが、山西省では、食事にはお酢が欠かせません。それは、生活における自然環境と結びついています。山西の人はお酢がすきというよりも、暮らしに酸っぱいものが欠かせないと言ったほうが良いでしょう。
もし、南の福建で生活している人がお酢がすきだからと言って、山西人のようにお酢を食べるとすれば、それは自分の身体の条件は考えず、食の好みだけを追及していると言えます。
今、中国は生活レベルが向上し、交通環境も改善されたことで人々の食への欲求を満たすことはとても簡単になりました。その結果地方の制限がなくなり、食に貪欲になった人達は、東西南北各地の美食を全て食べなくては気がすまないと考えるようになりました。しかし食欲には体が欲求するものへの一致と、バランスが求められています。長い間、過度に飲食による快楽のみを追求し、本当に身体に必要なバランスを無視すれば、身体が警報を発するようになります。李智さんは次のような例を上げてくれました。
「漢方医学では唐辛子は、体内の湿気を取り去る薬用効果があるとされています。たとえば、中国西南部を流れる長江の上流にある四川省や長江の中流の南部にある湖南省は一年を通して湿気が多く、そこで生活する人々はリューマチにかかりやすいのです。そのため湿気を取り去ろうと、地元の人はよく唐辛子を食べています。しかし、北方では、秋と冬は、乾燥し、降水量が少ないのです。こうした状況の下で、もし唐辛子を食べると、口の中に潰瘍ができたり、顔にもできものがよく出たりします」
飲食では必ず身体の合理的な必要性に基づいて、料理の色、味、香り、形を重視すると共に、野菜と肉類、冷たさと熱さ、雑穀と精米、水分を含むものと乾物とをバランスよく摂取することが大切です。
肉類と野菜の組み合わせは栄養および身体PH値の酸性とアルカリ性のバランスを保つのに効果的です。雑穀と精米をバラスよく摂取すれば、胃腸の働きを良くすることが出来ます。李さんはまた、胃腸の弱い人は冬にはお米より麺類を多めに摂取するといい、稲は水中で成長したもので体を冷やす寒性に属しているから」と説明しました。(董燕華)
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