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　いま、孫さんの住んでいる団地では、孫さんは有名人となりました。周りに住んでいる人々は悩みがあれば、まず孫さんのところへ相談にやって来ます。孫さんも非常に熱心な方で、人々の悩みをちゃんとメモを取ってまとめてから、定期的に全人代の代表らに送ります。なぜ、こんなことを楽しんでするのかは孫さんに伺いましたが、彼はとってもユーモラスに答えてくれました。

　「人民代表と一般国民はまさに夫婦のような関係ですね。意見は一致せず、口喧嘩もする。でも目的は家、つまり国がよくなるためです。黙って相手に考えてもらうより、自分の考えをはっきりと相手に伝えたほうがましです。一般国民でも国の政治を議論する権利があります。自分の意見やアドバイスをちゃんと伝えて、ふさわしいかどうかは代表らに判断してもらいます。一国民として、これは余計なことではなく必要なことです」

　人民代表と一般国民は夫婦のような関係、孫さんの解釈は面白いですね。でも、確かにその通りです。人間同士のコミュニケーションでは、交流が必要ですね。そして本当は何を考えているのかを伝える。声に出すことが大切ですね。実は孫さんの考え方は回りの人にも良い影響を与えています。娘さんの孫雲さんはお父さんの気持ちをよく理解しています。

　「父はよく政治の話題を話しています。そのおかげで、我が家では、ニュース番組や政治のことなどが、いつもホットな話題ですよ。正直に言うと、父のような定年退職したお爺ちゃんが毎日政治や国のことを口にしているのは、本当に面白いと思います。いま、中国では、年寄りたちは若者より、政治に関心を寄せているようです。たぶん、父の世代は国のためにいろいろと頑張ったから、この国に対する愛情が強いんだと思います。だからこそ、非常に関心があるんでしょうね」

　また、孫さんの家にはお手伝いさんの雅麗さんがいます。雅麗さんは中学校を卒業してから北京に出稼ぎに来ました。孫さんの家で2年間働いた雅麗さん、一番の収穫は「政治の知識をいろいろ勉強した」ということです。雅麗さんのコメントです。

　「孫さんはよく国の政策などの話題を私に話してくれます。最初は、ほとんど聞いて分からなかったです。「全人代」はどんなものでさえ分からなかったんですよ。でも、いまは知っていますよ。食品の価格を管理したり、就職問題を解決したりするために開かれた国の重要な会議ですね。孫さんと一緒に全人代のホームページを見ました。私は田舎者で、以前はインターネットを使ったことがありませんでした。でも、いまはインターネットで書き込むこともできるようになりましたよ。何といっても知識や技術は重要なものですね。もっといろいろと身につけたいんです」

　娘さんも、お手伝いさんもすっかり全人代のファン。孫さんは本当にすごいですね。全人代の話題は本当に市民生活のあらゆる方面に影響を与えています。例えば、いま皆が注目している賃上げ問題とか、住宅価格、そして、自動車ナンバープレートの制限措置など、ブログやミニブログを開けば、全人代への期待やアドバイスなどの書き込みが盛りだくさんです。インターネットを利用して自分の意見や感想を述べることも本当に簡単ですから。全人代は3000人ぐらいの代表が参加する会議ですけど、そのバックには、数億人の知恵やアイディアがありるんですね。

　普段のお喋りにしても、ブログの書き込みにしても、ツイッターのようなミニブログでの呟きにしても、3月の中国、人々は自らの視点で、全人代の開催に注目し、国の発展に期待を寄せています。（｢イキイキ中国｣より　03/11）