いま、北京では、中国の全人代・全国人民代表大会の年次総会が行われています。全国各地からの代表らが一堂に集まって、今後の国の経済発展や、社会、民生などの政策を議論しています。中国の全人代は日本の国会にあたるものですね。毎年の3月5日前後、2週間ほど北京の人民大会堂で年次総会が行われます。また、全人代の代表は5年間の任期で、1回再任することが出来ます。「チャイナライフ」、今日は中国の一般国民から見た全人代にスポットを当てます。
3月2日の午後、北京市西城区に住む孫立華さんは、ある新聞社の全人代ホットラインに電話を掛けました。この日、孫さんは1キロのトマトを買うために、4つの野菜市場を回り、価格を比べました。すると、トマトは先週に比べまた値上がりをしたことが分かったのです。
「いま、肉類の価格は安定していますが、野菜はまだ上がっていますね。最近の人々の挨拶はもっぱら『また値上がりしたね』という言葉です。全人代のホットラインに電話を掛ける目的は、われわれ一般市民の悩みを訴えるためです。去年、僕は園児の入園難問題を訴えましたが、代表らに重要視され、いろんな改善案が出されました。今年注目している問題は、やっぱり野菜価格の問題ですね。早く解決してもらいたいです」と孫さんは語りました。
全人代は国の政策を決める重要な会議です。これらの政策は国民の生活に密接に関わっているものです。一般国民の意見を聴取することも全人代代表の重要な仕事の1つです。そのため、全人代が開催される前、多くの政府部門や関連機関、メディアは専門のホットラインを設置しました。電話するだけで市民は直接自分の意見を全人代の代表に伝えることができます。それから、今一部の代表はブログやツイッターのようなミニブログを通じて、国民の意見を募集していますね。通信手段が便利になったことによって、人々のコミュニケーションもいっそう簡単になりました。
では、先ほどの孫さんの話題に戻りましょう。今年68歳の孫立華さんは定年退職してから、毎年の全人代に控え、いろんなルートを通じて、一般市民の悩みなどを代表らに伝えています。先ほどのインタビューの中では、今年は野菜価格の高騰問題、そして去年は幼稚園の入園難問題など、いろいろ提出した意見を紹介してくれましたね。特に去年、園児の入園難問題を北京市人民代表大会のホットラインに訴えて、関連の解決案が北京市政府の「ベビープロジェクト」に採用され、北京市の第十二次五ヵ年計画にも取り入れられました。自分の意見が代表らの賛同を得て、実際の政策に取り入れられたんですから。孫さんにこのことを伺ったら、喜びを抑えられない様子でした。
「昔、全人代と言ったら、かなり遠い存在のようなものだと思っていました。国の政策など、わたしたちのような一般市民が決めるものじゃないし、ラジオを聞いたり、新聞やテレビを見たりして、そのまま従えばいいとずっと思っていました。しかし、実際に、全人代のホットラインを通じて自分の意見やアドバイスを伝えてみて、まさか自分の意見が代表らや、政府に重視されるなんて、思いも寄らないことでした。とても、嬉しかったです」(つづく 「イキイキ中国」より 03/10)
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