いま、都市部では大学生の就職難などが続いていますが、これら新世代の農民工たち、彼らの就職状況はいかがですか。
大学生と比べて、農民工たちの学歴や教育レベルは確かに低いというのが現状です。彼らの就職先は主に体力が必要な仕事や、労働密集型の産業に集中しているようですね。例えば、この前に紹介した深センへ出稼ぎに行った周強さんは、いま、ある広告会社で働いています。主な仕事はイベントなどのステージのセッティングです。月給は900元で、いろんな手当てを含むと、月に1500元ぐらい、日本円にして2万円程度ですね。深センの発展を考えればで月に1500元、基本的な生活ができるかどうか。ギリギリ、安いです。また、ステージのセッティングですから、いつも働くのは夜です。疲れたときに、つい不満もこぼしますが、周さんは今も自分の未来を楽観視しています。周さんのコメントです。
「仕事が来たら、昼夜を問わず働くしかないですよ。残業したら、必ず上司に残業手当を要求します。100元か200元か、賃金上げの要求はなかなか口に出せないけど、残業手当ぐらいは、正々堂々と訴えますよ。ちゃんと自分の要求を人に伝えないと、誰も気づいてはくれません」。
いま、中国の一部沿海都市では、「民工荒」、つまり人手不足の現象が現れていますが、これをきっかけに、農民工たちの待遇も改善されそうですが、出稼ぎ者にとって、「都会人のように暮らす」という夢を実現するには、まだまだ遠いようです。周さんのコメントです。
「深センには、お金持ちが非常に多いんです。同じ都市に暮らしているのに、僕らにとって、金持ちの都会人はまるで別世界の人間のようです。正直に言うと、出稼ぎ者としての僕らは、強い劣等感を持っています。都市に根付くなら、マイホームが必要です。しかし、いま、深センで一般的な住宅を買おうと思ったら、少なくとも200万元は必要です。僕らは休まず食べずに一生働いても、これほどのお金は稼げないですね」
いま、中国の格差問題は世界の注目を集めています。同じ都市に暮らしても、生活の質やレベル、ぜんぜん違います。また、20代や30代の若者たち、親孝行や恋愛、結婚、子育てなどに迫られて、プレッシャーはいっそう重くなっています。都市部出身の若者でさえ、両親や家族の支援がなければ、マイカーやマイホームを手に入れるのは難しい。まさに高嶺の花ですが、必死に働いている若い農民工たち、彼らにとって、都市生活に物質的な余裕はほとんどないようですね。
これらの若い農民工は1億4000万人もいます。都市での暮らしは、田舎生活より魅力的で、刺激的な部分がある一方で、恋愛難、将来の生活への不安などの問題も多く、彼らはいつも試練にさらされています。今後の都市生活の希望について、周さんに伺いました。
「都会人には、田舎から出稼ぎに来た人たちにもっと関心を寄せてほしいですね。例えば、住宅や交通費、医療費など、もう少し安くしてもらえれば。僕らは自分の青春や努力を都市の発展に捧げたいんですよ。都市生活に傷つけられ、がっかりしても、この町が本当に好きで、愛しているんです。町の中を歩いていると、「時々、僕も深センのような大都会に暮らしているんだ」、と不思議に思っうことがあります」
都市の発展には公平、公正、平等の価値観が必要ですよね。周さんのような出稼ぎ労働者がいるからこそ、都市建設が順調に進められ、私たちの町がいっそう便利に綺麗になったんですね。彼らも都市発展の恩恵や喜びを分かち合う権利がありますね。何といっても、持続的な発展には人的資源が基本ですね。農民工、特に新世代の農民工たちの福祉改善などの問題はきっと今年の全人代、つまり日本の国会に当たる中国の全国人民代表大会で議論されるでしょう。都会は沢山の人が集まって成り立っています。都市に暮らしている人々、誰もが自分の夢を叶えるように願っています。(「イキイキ中国」より 03/08)
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