日本では銭湯は一般的ですよね。では、北京で銭湯、見たことがありますか。実は、北京市の南苑には「双興堂」という銭湯があります。1916年に開業したこの銭湯は既に95年の歴史があります。この銭湯はもともと「双斉澡堂」という名前でした。中国語では「澡堂」は「銭湯」の意味です。でも、新中国となってからは、国営企業となり、名前も「南苑浴池」に改められました。そして、2004年、ついに個人経営の「双興堂」となりました。100年近くの歴史を誇るこの銭湯、まさに北京の歴史を物語っているようですね。でも日本人のイメージでは、中国人はあまり銭湯を利用する習慣がないですけど。今はマンションにもバスルームがありますし。この銭湯を利用しているのはどんな人たちですか。
今利用しているのはほとんどは年配の男性です。彼らはいつもお湯につかりながらおしゃべりをします。話題は政治や経済、庶民生活などなど、多岐にわたっています。一部の常連客にとって、ここに来るのが日課のようです。今年70歳の馬奉山さんは毎日のようにバスに乗ってこの銭湯に来ます。「自宅にもバスルームがありますけど、銭湯でお友達とおしゃべりをするのはストレスを発散し、生活に欠かせないレジャーですよ」と馬さんが語ってくれました。入場料は8元です。日本円の100円程度ですね。お風呂のほか、漢方のマッサージや足つぼマッサージ、サウナーなどのサービスもありますが、こちらの料金は別です。
経営者の熊さんの話では、いま毎日200人ほどのお客さんが来るそうです。1日の営業収入は1000元ぐらいで、水代、電気代、ガス代を除けば、収益はほとんどないし、経営は厳しいということです。しかし、せっかく100年近くも営業し続けた老舗ですから、どうしても続けていきたいと考えた熊さんはこの古い銭湯を北京市政府の無形文化財の申請に出しました。もし無形文化財に登録されたら、銭湯の経営難も解決できるだろうと思ったのです。ぜひ、若い人も目を向けてほしいですね。(「イキイキ中国」より)
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