新疆は中国の北西部にあります。かつてはシルクロードの通り道であり、今も多様な民族が暮らすところです。古くから、ここは中国と中央アジア、西アジア、ヨーロッパを結ぶ交通の要衝でした。毎週この時間は今日の新疆の様子をご紹介します。
お聞きいただいたのは新疆ウィグル自治区聴力障害児リハビリセンターで劉静先生と王紅延先生が重度の聴力障害を持つ子供に言語訓練を行っている様子でした。
訓練を受けている馬玲香ちゃんと李佳明ちゃんは共に生まれつき重度の聴力障害を持っていて、人工内耳埋込手術を受ける前までは、周囲の人の会話は全く聞こえず、話しをすることもできませんでした。しかし人工内耳埋込手術とリハビリを受けた後、彼女達は普通の学校に通学できるようにまでなりました。
この新疆ウィグル自治区聴力障害児リハビリセンターで治療を受けている子供たちはいずれも重度の聴力障害をもっているため、太鼓や爆竹の音さえも聞こえません。これらの子供たちの内耳の毛細胞は死亡していて、それを再生することはできません。
2009年から2010年にかけて中国障害者連合会は貧困家族の聴力障害児に向けたリハビリプロジェクトを実施しました。それはこれらの障害児に無料で人工内耳埋込手術を行い、補聴器140個を配給したほか、毎年1人、1万元の補助金を提供するというものです。
センターの王紅延先生は 「子供たちが補聴器をつけた後、私達は発音訓練、聴力訓練、言語訓練などリハビリを開始しました。一つの発音を一千回、一万回と繰り返し教えますが、例えば、人参、ナス、セロリなどの簡単な言葉でさえも一週間学んでも習得できるとは限りません」と話しました。
子供たちにこれらの言葉への理解を高めさせるため、先生たちは様々な学習方法で工夫をしています。例えば、生徒達を連れて野菜市場へ行き、その形や色を見学したり、食堂で野菜の加工過程を見学させたりしました。これらの学習を通じて生徒達の理解力も高まるようになりました。
馬玲香ちゃんや李佳明ちゃんなどの訓練の成果をセンターの先生たちはたいへんうれしく思っています。王紅延先生は「子供たちをできるだけ早く社会に溶け込ませるために、社会がこれらの子供たちにより多くの関心と支援を与えることを期待します」と話しました。
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