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北京、新渋滞緩和策を発表

2010-12-28 20:12:07     cri    

 北京市は23日、「首都交通の科学的発展推進と交通渋滞緩和策に関する意見(以下、意見と略)」を発表、総合的な措置を実施することで交通渋滞の緩和を目指します。この総合措置によって、首都の交通問題が大幅に改善されると多方面から期待が寄せられています。しかし、短期間で交通渋滞が緩和される可能性は少なく、渋滞激化スピー ドがややダウンするにとどまる模様です。「経済参考報」が報じました。

■ ナンバープレートを抽選で無償配布

 意見によると、「公開・公平・公正の原則」にもとづき、条件を満たす企業、国家機関、社会団体など法人および個人に対し、抽選方式で自動車ナンバープレートを無償配布します。

 規定によると、2011年の新規登録台数を24万台、月あたり2万台に制限します。内訳は、個人車両が88%、タクシーなど営業車両が2%、企業その他団体の車両が10%。

 ナンバープレート抽選の具体的な方法は、個人の場合は毎月26日、企業は2カ月に1度抽選が行わます。その流れは、まず申請書を提出して申請番号を獲得、申請が有効であることが確認された後、抽選の対象となります。申請資格があるのは、北京市の住民、居住証明を持ち市内に勤務する外地住民、北京で5年以上納税し、納税証明を持つ外国人。

 また、仕事で北京市外から入る車両は、出勤日の午前7時から9時までと午後5時から8時までの間、五環内での走行が禁止されます。五環内での駐車料金については、課金対象時間が従来の30分から15分に短縮され、五環外での駐車料金は引き下げられます。

 新しいナンバープレート抽選方式の対象となるかどうかのデットラインは12月24日。規定では、「北京市の自動車販売会社が12月23日までに販売登録を提出した乗用車については、翌24日午後6時までに企業の管轄地域の商務委員会に登録しなければならない。24日以降に購入された車両については、2011年1月の抽選対象となる」と定められています。

 意見によると、市政府は西二環、東二環、台基廠大街、西山トンネルなどの地下高速道路建設を加速させ、市中心部に全長200キロメートルの道路を建設し、全長400キロメートルの都市ミクロ循環道路を建設する計画。また、全長150キロメートル以上の公共交通専用道路を新設、来年中に軌道交通2本の一部区間を開通させる。このほか、公共自転車サービススポット1千カ所、5万台以上を構築する計画。

■ 2011年の新車登録総数24万台

 自動車保有台数の急増と交通渋滞はすでに北京市の「重症慢性病」となっています。市街区域における道路交通網のインフラ建設はここ数年加速、一部新築・拡張さ れた交通幹線が続々開通、市内・市外の環状線は何層にも増え、市街区域の古い道路は道幅拡大が続いています。しかし、道路補修工事は至る所で行われており、 車の渋滞が発生しています。

 北京市交通委員会の李暁松副主任は、新渋滞緩和策について説明した際、「市は2005年以降、車の利用制限を実施してきたが、購入は制限してこなかった。しかし、この2年間の爆発的な自動車増加によって、市内の渋滞問題はもはや抜き差しならない深刻なレベルに来ている」とコメント、購入制限に踏み切った経緯を話しました。

 李副主任によりますと、2007年以前は年間15万-20万台だった北京の車増加台数は2008年に38万台、2009年には51万台に達したという。年間増加台数が香港の保有台数全体に追いつき、今年の増加台数が76万台を上回ることは確実です。

 李副主任は、「自動車社会に政策によるコントロールが入ったことを、多くの人が好ましく思わないだろう。しかし、これは、都市の急成長にとっては避けられない問題だ」と指摘。「中国の都市化と自動車社会は、万人の予想を超えたスピードで進んでいる。都市化レベルが20%から40%になるまでに、中国ではわずか30年だけだったが、英国では120年、フランスでは100年、米国では90年かかっている」と続けました。

■ 効果は?応急措置に過ぎず、根本的な解決が必要

 「80後(1980年代生まれ)」の朱徳隆さんは、今回の措置について、「我々の世代は、マイホームはもう買えないが、マイカーなら、今すぐに買えなくとも、将来手に入れる可能性があります。しかし、今回の政策は、すでにカーオーナーとなっている人の権益を保護しているが、これから車を購入・利用する権利を制限するものだ。ナン バープレート抽選にはずれたら、当たるまで申込みをひたすら続けるしかない」と語ります。

 あるネットユーザは、駐車料金の値上げについて、「経済的手段で渋滞緩和を図っても、貧乏人には効果があるが、金持ちには全く効かない」と批評します。

 研究者の陶短房氏は、「渋滞がどれほど深刻な状態であろうとも、道路権の平等は重視されるべきだ。特定の公用車が公務中以外に利用される場合は、一般の自家用車と同様と見なす必要がある」と指摘しました。

 中国自動車流通協会の羅磊副秘書長は、北京が打ち出した今回の渋滞緩和措置は、「最後のあがき」のようなものとの見方を示しました。副秘書長によると、市政府は交通問題の改善に精力を注ぎ込み、特にこの2年間、軌道交通や公共バスを多数増設したが、渋滞は解決するどころか、酷くなったといいます。

 羅副秘書長は、新政策の意図は理解できるが、「あまりにも単純な方法だ。根本的な解決には至らないと話します。

 羅副秘書長は、「1台も増えなくても、渋滞する。今の470万台が続く限りは」と強調した。自動車アナリストの賈新光氏は、「北京は5年前の時点では、機動交通の発展に重点を置いていなかった。これにより、渋滞問題解決の絶好の機会を逃してしまった。来年の交通渋滞の根本的解決は望めないだろう」との見方を示しました。

 これについて、市交通管理局の李少明副局長は、記者会見で、「市内の交通渋滞は様々な要因によってもたらされた。今回政府が発表した総合措置は、市内の交通問題改善に前向きな作用を果たすだろう。しかし、交通渋滞状況や渋滞激化スピードが短期間で緩和されることはない」と話しました。李副局長は、交通渋滞の本当の解決には、根本的対策がさらに必要との意見を、数々の文章で言及しています。

■ 北京市場、周辺自動車市場に影響

 国際金融報の報道によりますと、「自動車台数制現」策の登場によって、北京自動車市場の景気が今後悪化することを心配する人がいます。

 統計データによると、今年の全国成長予測の比率から控えめに計算しても、2010年の北京自動車販売台数は85万台以上、月平均8万台となる見通し。しかし、2011年の新車増加が毎月2万台になるとすると、北京自動車市場の販売台数は約75%減少します。

 中央民族大学都市公共管理学院の高鵬懐教授は、北京自動車市場と上流・下流関連産業への影響は免れないと見ています。政府側には、まず税収減がもたらされる。業界には、短期的な影響が見られるが、次第にそれも解消され、二・三級都市における自動車需要がかなり高まる見通しです。専門家は、「代償は伴うが、致命的ではない。国民の自動車購入意欲が無くなることはあり得ない。来年のナンバープレート発給制限がないと仮定しても、北京の消費は前倒しでかなり高まったことから、自動車市場の活況がこのまま続くとは限らない」と指摘しています。

 中国自動車工業協会専門家委員会の栄恵康氏は、「今年の全国自動車販売台数は約1800万台。特に、現在の業界は、省エネルギー・排出削減や農村市場開拓という方向に向かっている。この全体的すう勢が、一都市の制限措置によって変わることはない」と話した。高教授は、「上海のナンバープレート制限措置が江蘇・浙江ナンバー車の増加をもたらしたと同様、北京の制限策によって、北京市民が市 外で自動車を購入する動きが高まり、周辺地域の自動車市場発展をけん引する可能性がある」と指摘します。

 自動車の販売以外に、最も関係の深い自動車保険業も、この新政策の影響を避けることはできません。保険業界専門家によると、新政策施行後、損害保険会社はこれ までの好調を維持できなくなり、北京自動車保険市場の競争がさらに激化すると予想されるといます。しかし、これによって、保険会社各社が自動車保険業務を主体とした経営方法の転換が促される可能性も高い。バックエンドサービスの向上に努める一方、自動車保険以外の業務における新分野開発が進むと見られています。(人民ネットから)

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