女の子に好まれるオモチャに、バービー人形というのがありますが、世界で販売されているバービー人形は、実は3つに1つが、中国南部、広東省の東莞で作られたものです。そればかりではなく、アメリカの漫画やアニメの主人公のミッキーマウス、スヌーピー、日本のドラえもんなどの関連グッズの多くも東莞で製造されています。
東莞を紹介するには、まず広東省について説明しなければならないと思いますが、広東省は、中国のアニメ製作の拠点の一つです。今年1月から9月までに40作品のアニメを製作し、時間にすると2万1000分になりますが、これは国内トップです。それで東莞について見ると、アニメ関連グッズの製造業が優れていて、全国をリードしているという位置づけにあります。
ほかの地域に比べて、漫画アニメ産業を展開するための環境が整っているというところが、地元のメリットだと見られています。この点について、広東省文化産業促進委員会の郭事務局長は、次のように話しています。
「市場の開発がある程度進んでいたら、外部から注文とか要請が来ます。そうなると、自然に市場がさらに大きくなるわけです。広東省には、そういう実例があります。たとえば、"奥飛アニメ"というアニメ製作会社がありますが、最初はオモチャの製造工場でした。オモチャを作る中で、ただお客様がくれた設計図にしたがってものを作るだけじゃなくて、自らデザインしてみようかという発想から、オモチャの自主開発をやりはじめ、そしてアニメづくりに取り組んできました。そういうような会社が増えてきて、広東省は今、アニメ関連製品の製造や販売に相応しい環境ができるようになったわけです」
中国の国産アニメは近年、勢い良く成長しており、とりわけ「喜羊羊与灰太狼(シーヤンヤンとホイタイラン)」というアニメは、せりふに今の中国社会のホットな話題と若者言葉が混ぜてあるので、子供だけでなく、大人にも人気が高いようです。
実は、「喜羊羊与灰太狼」は広東のアニメ製作会社で作られたものです。本社は広州にありますが、東莞の市場環境を認めて、東莞に支社を設置しました。東莞では、アニメに関する知的所有権の取引も盛んに行われていることから、広東の中山や仏山、さらには広東省以外のアニメ企業も進出してきました。そんな会社の一つ、天空文化の湯澤明社長の話です。
「東莞には非常に大きな潜在力があります。ですから、わが社は、製品の研究開発と設計部門を東莞に設けました。これから、ますます多くの会社がここに来て、連携しあい、中国の国産アニメを世界に紹介することができたらいいなと思っています」
アニメといえば、日本とアメリカが世界トップレベルの技術と人材を持っているというイメージなのですが、いつか中国のアニメも、日本とアメリカのような影響力を持つようになればいいなと楽しみにしています。(鵬)
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