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中国のCO2排出削減目標を考える

2009-12-03 16:27:12     cri    

 数日前、中国政府は2020年までの温室効果ガスの排出削減をめぐる行動目標を発表し、国内総生産(GDP)1万元あたり(単位GDP)の二酸化炭素(CO2)排出量を2005年比で40%から45%削減すると発表しました。またこの数値を拘束力をもった指標として、国民経済と社会発展の中・長期プランに組み込むとしました。また国は今後、2020年までに非化石燃料が一次エネルギー消費に占める割合を15%前後に引き上げることや、森林の炭素クレジットを増やす、森林面積を2005年比で4千万ヘクタール増やす、森林貯蓄量を05年比で13億立方メートル増やすなどの削減措置を取るとしています。

 中国はこうした承諾を行うと同時に、これまでにも削減でみるべき成果を上げています。今年上半期には単位GDPあたりのエネルギー消費率が05年を基準にして累計13%低下し、2010年には20%の引き下げ指標を達成できる見込みです。これは少なくとも二酸化炭素15億トン以上の削減に相当します。08年に中国がクリーン発展メカニズムプロジェクトに参与したことにより生じた排出量の取引量が、世界の取引量全体に占める割合は84%でした。

 中国は排出削減を力強く推進すると承諾すると同時に、自身の発展の権利も守りきりました。現在の一人あたりGDPがわずか3200ドル前後の発展途上の大国である中国は、その経済成長と国民生活レベルが向上すれば必然的にエネルギー消費の大幅な増加を招くことになります。中国の人口は今後15年は年平均800万人から1千万人のペースで増加するとみられ、資源の分布という客観的な条件により生み出された、炭素含有量の高い石炭エネルギーへの依存状態を短期間で変化させることは不可能です。これに加えて排出削減に必要な技術や資金が不足していること、「世界の工場」として引き受けてきた先進国からの「排出移転」の規模が非常に大きいことなどにより、中国は2020年までに温室効果ガスの全体的な排出量の削減を承諾することは不可能であり、国民の生活レベル向上に見合った合理的な炭素排出の余地を確保すべきであるとの結論に達しました。

 だがこれは地球の気候対策をめぐり、中国が義務を引き受けないということではなく、これから具体的な削減目標を承諾しないということでもありません。中国はすでに「気候変動に関する国連枠組条約」(気候変動枠組条約、UNFCCC)と「京都議定書」を批准しており、今また新たな削減目標を発表したことは国際社会で広範囲に評価されるとみられます。

 中国が削減で上げた成果と最新の承諾内容を前に、先進国は自身の政策と行動を真剣に再考すべきです。米国の世界資源研究所(WRI)がまとめた統計によると、大気中に存在する温室効果ガスの70-80%は先進国で発生したもので、先進国のこれまでの排出が地球の温暖化と気候の変動を招いた直接の原因です。

 だが先進国はこれまでの排出の責任を直視しようとせず、「UNFCCC」に規定された「それぞれ共通に有しているが差異のある責任」(前文)の原則を踏まえて削減目標を数値化することを避ける一方、発展途上国にこれまでの排出に対する責任を共同で担うよう強く求めたり、「炭素関税」などの手段を用い中国や他の発展途上国に2020年までに温室効果ガスの排出総量を削減するよう迫ったりしています。こうした不合理な要求は、中国を含む多くの発展途上国の責任追及や反対にぶつかるだけです。先進国は工業化の段階で温室効果ガスを無制限に排出することにより大きな発展を遂げました。先進国には今、率先的かつ大規模に削減を進めると同時に、技術の開発や移転、資金的バックアップなどで発展途上国に支援を提供することを承諾し、まもなくデンマーク・コペンハーゲンで開催されるUNFCCC第15回締約国会議(COP15)で地球と人類を救うための合意達成を促進する義務があり、それだけの能力や実力も備わっています。(「人民網日本語版」2009年12月3日)

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