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市民生活に見る通信の発達

2009-09-01 11:12:53     cri    

 電話交換手:こちら交換台ですが、どちらにおつなぎしますか?

 主人公:第三炭鉱につないでください。

 交換手:第三炭鉱ですか。ここからかなり遠く離れていますので、ここ1ヶ月一度もつながったことはありません。あらかじめご了承ください。

 これは、2003年に公開された中国の映画『携帯電話』のシーンの一つです。農村に住む主人公は、遠いところにいる兄に電話をしようとしましたが、1つの村に1台しか電話機がなかったため、長い列を待ってようやく順番がまわってきたものの、遠すぎてなかなかつながりませんでした。このシーンは、数十年前の中国の通信状況をリアルに現しています。その映画を見た北京市民の陸穂英さんは、40年前、北京から1000キロも離れる東北の黒竜江省で労働していた日々を思い出したと、次のように話します。

 「そのとき、家族との連絡は、手紙でしかできませんでした。ホームシックになったら手紙を書いて家に送り、返事がいつもよりちょっとでも遅れたらいらいらしてしまう。そんなことが多かった。私たちの中では、郵便配達の人が一番人気者なのです。いつも家族の返信を持ってきてくれるからです。でも、私たちの住んでいたところは郵便局から遠いから、配達はいつも週に1回くらいしか来ませんでした」

 陸さんによりますと、当時、全く電話を使わないというわけでもなかったですが、使うのは、緊急な用事ができた場合だけだったということです。というのは、電話をかける方法がとても難しかったからだそうです。今は、ボタンを押すだけで電話が通じるのですが、当時は、電話機の脇にハンドルがついていて、かけるとき、そのハンドルをまず手で回さなければならなかったのです。しかも、直接に通話することができず、毎回、電話交換手を通じなければなりません。音声を送る信号も不安定でしょっちゅう雑音が入っていて、なかなかつながらないことも多かったそうです。

 1980年代初め、陸さんは北京に戻り、結婚しました。しかしその後、夫は仕事の関係で地方に転勤になりました。会うことが難しくなりましたが、何かあった場合、手紙ではなく電話で話すことができるようにはなりました。ただし、当時の北京にはまだ電話は今ほど普及はしていませんでした。公衆電話を使うには、まず日本の町内会に当たる住民委員会に行って、いちいちお金を払わないと電話を使うことができなかったのです。電話料金も高かったので、皆、時間を節約するために、話したいことを事前にメモしておいて、それを持って電話をしていたのです。これについて、陸さんの夫の劉さんは、このように話します。

 「そのときの料金は、たとえば1分間電話すると、1日分の収入がなくなってしまいます。ですから、私たちは、話をできるだけ簡潔にしていました。何を話したいか事前に箇条書きでメモして、それを見ながら電話をしたのです」

 そして1980年代の末頃になると、中国では初めて、「携帯電話」が見られるようになりました。そのころの携帯電話はレンガのように大きくて重たく、今のようなお洒落でこぢんまりとしたものとは比べ物になりません。でも、当時の人々にとってはとても贅沢なもので、金持ちのシンボルと思われていました。北京市民の陸さんは、携帯電話を初めて見たときの様子を振り返って、こう話します。

 「友達が携帯電話を使っているのを見て、無線でも電話はできるんだなって、不思議に思いました。今では普通のことですけれど、当時はすごく面白がっていました」

 それから1990年代末以降、携帯電話が急速に増えてきました。それと同時に、コンピュータとインターネットも、中国人の日常生活で使われるようになりました。陸さんの娘、劉京津さんによりますと、インターネットを通じて、長い間音信不通だった昔のクラスメートと再び連絡をするようになったそうです。

 「インターネットに接続して、まず最初にメールボックスを開き、友達から新しいメールがあったかチェックをします。それは、一番の楽しみです。とくに、小学とか中学時代のクラスメートと久しぶりに連絡を取れたときの喜びが、とても大きくて、今でもはっきり覚えています」(劉京津さん)

 中国では、携帯電話とパソコンはすでに生活の一部になっています。携帯電話の利用者数は6億9500万人に達し、2人のうち1人の割合で携帯電話を持っています。また、今年7月に発表された統計データでは、中国のインターネット利用者の数は3億人を超え、世界一になっているということです。

 ところで、陸さん一家ではどうでしょうか。陸さんと夫は、娘からインターネットの使い方を教えてもらいました。陸さんは今、休みのときにいつもインターネットでニュースを見たり、友達とメールのやり取りをしたりしています。そして夫の劉さんは陸さんよりもパソコンの操作が上手で、ネットでは株取引と買物もしています。魚釣りが好きな劉さんは、釣りの道具とえさも、ネットショップで買うことにしているそうです。

 ここ数年、インターネットの機能はますます拡大され、中国では、オンラインビジネスや医療、教育などにも利用されています。農民たちは、ネットで市場の状況を調べて生産計画を調整し、農産物の販路を探します。また都会に住む人々は、政府機関のホームページから最新の政策・方針を知ることができ、そこで自分の意見と感想を書く人も多いようです。

 一方、携帯電話の面で、中国は今年から、「3G」と呼ばれる「第3世代携帯電話」方式を正式に実施しています。人々は、3G方式を使う携帯電話で、音楽をダウンロードしたり、携帯電話機の画面で相手の顔を見ながらテレビ電話をしたり、音声と動画のファイルを送ったりすることもできます。

 中国は、3Gを普及させながら社会の情報化を進めており、とくに、国際基準TD-SCDMAの自主開発に成功したことで、欧米諸国による市場独占をはばみました。現在、「4G」つまり第4世代の携帯電話方式に向けた研究開発も進められているということです。これについて中国の李毅中工業・情報化相は、次のように語ります。

 「我々は、3Gの普及をより一層進めるとともに4Gの研究開発に大きな力を入れています。その中で、世界の先進的な技術を参考にしながら、引き続き自主的な開発を目指していきたいと思います」(翻訳:鵬)

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