■ＣＰＩ指数、対先月比2ヶ月連続の上昇

　6月10日、中国国家統計局が5月の経済データを公表しました。このうち、消費者物価指数（ＣＰＩ）が去年の同じ時期に比べて1.4％下がり、先月に比べ0.3ポイント下がりました。一方、産業の景気を表す生産者物価指数（PPI）の下げ幅は去年同期に比べて引き続き縮小し、一方、前の月に比べれば、すでに2ヶ月連続して上昇の勢いを見せています。

　国家統計局は世界金融危機が実態経済への影響がまだ続いている上、主要国の経済の後退もまだ継続していることから、世界的なニーズがまだ低迷していると見ています。一方、中国国内では、一部の原材料は価格が上向いてきたものの、去年に比べ、引き続き低迷が続いており、供給が需要を上回る現状が短期間では変らないと見ています。

　不動産市場では、4月、全国各都市の不動産価格はいずれも前の月に比べて上昇していることが分かりました。

■ 輸出入の下げ幅、3ヶ月続けて拡大

　中国は世界第二の輸出大国です。5月、対外貿易は引き続き落ち込み続けています。中国税関総署が発表した5月の対外貿易の関連データでは、輸出入総額は1641億2700万ドルで、昨年同期に比べ、25.9％下がり、下げ幅は3ヶ月連続して大きくなっているということです。

　なお、1月から5月までの輸出入総額は昨年同期より24.7％減の7634.9億ドルで、5月末までの貿易黒字は133.9億ドルに縮まったということです。

　なかでも、輸出の下降傾向はすでに7ヶ月続いており、中国の輸出向け企業が依然として苦境から抜け出せていないようです。

■ 原油輸入、2ヶ月連続して対前月比プラス成長

　同じく税関総署のデータによりますと、5月の中国の原油輸入は昨年同期に比べて5.5％増え、4月に続き、2ヶ月連続して増加の傾向を保っているということです。なお、中国の原油の対外依存度は50％ということです。

■ 自動車生産・販売台数、110万台を突破

　中国自動車工業協会が先週発表したところでは、5月、中国国内の自動車の生産台数と販売台数はいずれも110万台を超え、これにより、1月から5月までの中国国内市場の自動車販売台数は495万6800台となり、去年同じ時期に比べ14.2％の伸びとなりました。なお、中国の自動車生産と販売台数は通年ベースでは、今年、史上初の二項目とも二桁の成長を実現できるだろうと見られています。

■ 1～4月・中国人の海外旅行　4.64％増

　中国国家観光局によりますと、1月から4月まで、国内の観光動員数が昨年同期に比べて4.75％下がり、中でも、外国人観光客に限ってみると、下げ幅が21.82％となり、観光業による収入は昨年同期より13.94％下がって、121億8300万ドルとなりました。

　ただし、これと対照的となっているのは、中国人の海外旅行の人数が増え続けています。1月から4月まで、海外旅行に出かけた中国人は去年の同じ時期より4.64%伸びて、延べ1587万4800人に達しました。（Yan）