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農村市場、内需拡大に取り組む

2009-02-26 13:39:09     cri    

 内需を拡大することによって、輸出の構造調整を順調に行い、輸出に頼るのを改めることは政府が推進した改革の方向です。このため、中国政府は国民の消費を促す対策をさらに講じるようになっています。その中で、農村市場の拡大がスピードアップされました。

 2005年から、商務省は「万村千家」というプロジェクトをスタートして、3年間かけて、試行の農村地域で25万ヵ所のスーパーマーケットをオープンすることによって、都会と農村の消費格差を縮小しようとしています。現在、このプロジェクトはほぼ完成し、良好な効果が見られています。今年の旧正月期間中、湖北省長陽県の芦渓という村にある「東方超市」は商売繁盛でした。「湖北東方スーパーマーケットのチェーン店になって、毎日の平均売り上げは倍増した」と店長で村人の李香蘭さんが「売り上げは明らかに増えている。前より2倍増えた。これまで、毎日の売り上げは1000元ぐらいだったのが、スーパーができてから、毎日平均の売り上げは2000元以上になった」と言っています。

 スーパーマーケット会社のチェーン店として加盟してから、販売される商品は全部、東方スーパーから統一して配送されたもので、商品、特に、食品と農業資材の品質が保障されたので、消費者がより安心して買うことができたのです。これは売り上げが上がった鍵だと李香蘭さんが考えています。

 この「万村千家」プロジェクトに続いて、商務省はまた、「家電下郷(家電製品の農村展開)」プロジェクトを実施するようになりました。このプロジェクトは農村消費者に電気製品の新規購入や買い替えに補助金を提供しています。中央政府と地方政府が財政から直接支援する形で、家電製品を購入した人に販売価格の13%の補助金を与えます。1年間の試行を経て、今年2月1日から全国で推進することになり、商品にはカラーテレビ、冷蔵庫、携帯電話、洗濯機、モーターバイク、パソコン、クーラーなどが含まれて入ます。

 内蒙古自治区通遼市で「家電製品の農村展開」プロジェクトを担当している張耀宝さんは「『家電製品の農村展開キャンペーン』は農家、特に、中、低収入の農家の消費潜在力を掘り出した」として、「このプロジェクトは主に、中、低収入の農家の需要に配慮した。補助金はこれら農家の購買欲を引き出すことができた。また、商品の性能も技術も保証され、アフターサービス体制も整備されたので、農家の消費のグレードアップにはプラスとなる」と述べました。

 統計によりますと、今年、中国は「家電製品の農村展開キャンペーン」に投入する補助金は150元まで増やし、これによって、1000億元以上の内需を拡大することができるということです。この政策は少なくとも5年間続けるので、それによる家電製品の売り上げは5000億元を上回ることが推測されています。

 家電製品のほかに、中国の自動車産業も政府の関連政策からビジネスチャンスを見出しました。春節前、中国は自動車産業調整振興計画に、2009年、農民の三輪自動車や低速貨物車の廃棄、軽貨物車の買い替え及び排気量の少ないワゴン購入に補助金を出すことが明記されています。チェリー自動車の広報担当、金弋波さんは、「これを機に、チェリー自動車は農村市場への投入を拡大していく」として、「わが社はコンパクト車を発売している。これも新しい分野、つまり、都市と農村通用の車だ。もう一つは、都市から農村に戻った人が貨物輸送や客運などのために車を買うこともある。これらはビジネスチャンスで、われわれのコンパクト車はこのようなビジネスチャンスに狙っている」と語りました。

 農村市場に大きな消費潜在力が潜んでいる一方、その市場を打開するために、農民の収入増加は前提条件になります。そこで、今年中国の「第1号文書」で、2009年には引き続き農業生産の安定化を維持し、農民の収入増加を推進することが明記されています。これは中国6年間連続して、農村の発展をテーマにした「第1号文書」になります。

 この文書を解読する際、共産党中央農村作業指導グループ弁公室の陳錫文主任は「現在、金融危機の影響を受け、輸出が低迷することによって、一部加工製造企業で働いていた出稼ぎ労働者がリストラになった。この数はおよそ2000万人、中国の出稼ぎ労働者の1.5割を占めていると推測される。今後、政府はその就職のために多くの対策を講じていく」として、「まずは、リストラが出ない、或いはリストラ削減に努める都市部や沿海部の企業を奨励すること。そして、出稼ぎ動労者により多くの職業指導の機会を提供して、その就職技能を高めること。また、インフラ施設の建設でなるべく多くの出稼ぎ労働者を雇うこと。さらに、出稼ぎ労働者の起業を支援すること」という四つの取り組みを明らかにしました。

 出稼ぎ労働者の就職支援のほかに、農民の収入増加をサポートする取り組みにはよい種や農機具購入支援を拡大すること、農作物の最低買い付け価格の値上げなども含まれて入ます。

 政府が農民の収入増加に取り組んでいるところ、一部の農家もパソコンを活用して自分や周りの農家に富をもたらしています。遼寧省瀋陽市紅星村の村人曹東哲さんはインターネットで農産品の供給と需要情報を集め、国際市場の相場を周りの農家に紹介して、地元の米、漢方薬材など農産品を韓国、日本及びロシアなどへ輸出しています。2008年、そのウェブサイトを通じた取引額は1億元を超えたのです。2009年の目標について、曹東哲さんは「インターネットで情報提供者の数をより増やし、より多くの人が豊かになってほしい」と語っています。

 消費刺激、農民の収入増加などの政策対策の実施及び農村教育、医療保険、低所得家庭の生活保障など社会保障制度の整備によって、農村の消費市場は中国の内需拡大で大きな役割を果たしていくだろうと業界人は見ています。(翻訳:ヒガシ)

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