中国の東南部に位置する無錫は中国の呉の時代の都で、3000年の歴史を持つ古い町で、昔から美しく、豊かな都市で知られ、『江南の名城』と言われています。 無錫は北に長江が流れ、南に太湖に臨み、西は南京に接し、東は上海に隣接しています。 四季がはっきりしていて、物産豊富で中国では、「米と魚の故郷」と謳われています。毎週のこの時間は今日の無錫の様子をご紹介しますので、お聞きください。
中国の伝統的な祝日・春節の期間、中国文化省が主催する「中国年」無形文化遺産展示活動がドイツのベルリンで行われました。この活動には刺繍や竹彫刻それに象牙彫刻、案山子などの15人の中国民間工芸の名人が参加し、素晴らしい工芸品が多くの人々に喜ばれました。今日の無錫シリーズは今回の無形文化遺産活動に参加した無錫刺繍の名人・趙紅育さんの刺繍の世界を覗いてみましょう。
趙紅育さんが生涯の仕事とする無錫刺繍はすでに数百年の歴史を持ち、今から500年前の明の時代には一つの最盛期を迎え、皇帝への貢ぎ物として扱われてきました。清の末から中華民国の初めまで、たくさんの刺繍の名人がでました。新中国が成立した後、無錫刺繍業が急速に発展しています。趙育紅さんは清の時代に興った中国で最も古い刺繍技伝授組織・錫山刺繍工会の第4代継承者です。趙育紅さんは30年にわたって刺繍技法の研究に携わり、民間の伝統的な刺繍技法への研究を通じて、87種の刺繍技法を整理しました。
趙さんが創作した刺繍作品「シルクロード」は中国工芸美術の国宝として中国工芸美術館に収蔵されました。この作品の中に21頭のラクダと24人の人物が素晴らしい刺繍技法で生き生きと描かれました。画面の中の24人の人の表情がそれぞれ違うだけでなく、服装の素地、例えば、毛皮やシルクそれに布など素地は異なる刺繍技法で施されたことによって、素質などの違いがうまく表現されました。これほど完璧な刺繍作品を見ると、誰でも驚かずにはいられません。
今、趙さんは無錫刺繍芸術をいかに代々守り続けるかに考えています。2007年、趙さんは厳しい選択を経て、弟子3人を募集しました。特に無錫中学校の美術教諭を勤める二番弟子は無錫刺繍の学校での普及活動を大いに進めています。
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