中国東部江蘇省の無錫市は、民営企業の発展が盛んな街です。無錫の民営企業には、百年以上の歴史があります。その中で、いま、民営企業は新たな特徴を見せています。これについて、無錫比較研究所の浦文昌所長は「無錫の民営企業は新たな特徴を見せています。つまり、国内市場に立脚点を置くと同時に、海外市場への進出に積極的に取り組んでいます。新たな可能性を模索しているんだ」と述べました。
無錫光明服装製造グループは無錫市でも有数の民営企業の一つです。十年前の1997年に、このグループはカンボジアで服装製造会社を設けました。そして、2000年と2002年にモンゴルとマダガスカルで工場を設けました。また、アメリカや、日本、オーストラリア、香港にも貿易会社を設置しました。現在、海外にある会社の従業員数と販売高はいずれも国内の本社を超えています。グループの代表取締役、趙啓文さんは「事業規模を急速に拡大できたのは、海外進出のおかげです。生産能力が大きく伸ばされたし、製品の品種も多くなりました。これまでの単一の生産から多品種の生産となりました。これまでは、シャツだけでしたが、いまは、高級な既製服をも生産しています。海外進出で、市場を拡大して、販売額をこれまでの10倍以上に伸ばし、10億元に達しています。また、原材料の輸出が促されました。その輸出額だけで年間数千万元に上ります。光明グループは、政府の承認を得て、無錫の民営企業と力を合わせ、カンボジアで経済貿易特別区を設置することになりました。これはまた大きな発展につながるものです」と述べました。
無錫の民営企業は、勇気や見識を重んじる良い伝統を持っています。その代表的な人物の一人、べにの豆と書く紅豆グループの代表取締役、周海江さんはかつて、アメリカの雑誌「フォーブス」の表紙に掲載されたことがあります。
周さんは「一昨年は、中国とアメリカ、中国とイーユーの貿易摩擦があって、衣服の貿易が大きな影響を受けました。フォーブスは、中国の紡績工業をやる人々がどんな人なのかを紹介しようと、私を表紙に載せたのです」と述べました。
無錫の民営企業はアメリカで大いに活躍しています。無錫の尚徳グループは2005年に、ニューヨーク証券市場に上場しました。中国大陸の民営企業がニューヨークで上場したのは、これが初めてです。これによって、グループの資産は10億元、日本円にして、140億円ほどに増加しました。このグループの代表取締役、施正栄さんは「長年の苦労がようやく報われました」と感無量の様子です。施さんは「グループの業績は、無錫市政府の支持があったからこそのものです」と述べました。
尚徳グループは、太陽エネルギー電池を生産する、中国で最大規模の企業で、世界のこの業界で6位です。ニューヨークで上場したことによって、グループの発展が大いに促され、その技術は世界のトップレベルとの差を大きく縮めています。
無錫の民営企業は、かつて小麦粉、紡績が主でした。いまはさらに、ハイテク企業も目立ってきています。民営企業は海外市場への進出に積極的にとり組んでいます。江蘇省で新たに認可された海外投資プロジェクトのうち、無錫は全体の50%を占め、しかも、無錫の海外投資プロジェクトの75%は民営企業が実施しているものです。
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