中国人と日本人の違い
中国伝媒大学日本語学科1組 陸漫漫
中国では美人がモテるが、日本ではかわいい人がモテる?
中国の人気アイドルや女優さん、特に若い世代のタレントは、ほぼみな美人でスタイルのいい子だと思います。美の審査基準の違いはともあれ、バランスのいいスリムな体型、つるつるしたお肌、パッチリした大きな目、彫りの深い小顔、つやつやした髪の毛などが基本だと考えられ、そのために整形している人も多いようです。もしこの中のひとつでも満たしていなかったら、メディアからも視聴者からも、批判を浴びるかもしれません。
今ネット上のエンターテイメントコラムで最も注目されるのは、タレントたちの容ぼうに関する記事でしょう。モテ顔の子を大げさに褒めるのに対し、ちょっとでも不細工な子を冷やかしたりします。ネットの運営者たちはこれらをネタにし、多くのユーザーの目を引き付けます。
それでは一般人の場合はどうでしょうか。よく考えてみれば、中国の各大学のミスキャンパスも頭のいい子より美人のほうが圧倒的に多いし、会社でも美人社員のほうが人気があるでしょう。つまり、中国で人気者になるには、特に女性の場合は、人が良くない所を指摘できないほど完璧な外観が必要とされ、そうでない場合は公衆の厳しい批評に耐える心の強さが不可欠なのです。
一方、日本の雑誌やテレビなどでは、ややぽっちゃり型のモデルや芸能人をよく目にします。雑誌のモデルや人気歌手で、容ぼうもしくは体型のどこかに不細工なところがあるのも決して珍しいことではないと思います。その不細工なところをファッションやお化粧で隠し、人に受け入れられようと努力します。周りの人もその頑張りぶりに感心し、『かわいい』と褒めます。たぶん日本人が全体的に褒め上手であることもあり、その上あまり人気者の外観に厳しい要求を持たないこともわかりました。しかしながら、立ち振る舞いや言葉遣いがしっかりしているかどうかを割りと重視しているようです。
もちろん、日本でも美人がモテないということではないです。でも、気高くて届かない高嶺の花より、日本人は身近にいる愛らしい人が好ましいのでしょう。
日本では、ある女の子を評価するとき『美人じゃないけど、かわいい』と言う言い方をよく耳にしますが、それって『顔やスタイルは完璧じゃないけど、雰囲気的にはかわいい』と言う意味を指すのではないでしょうか。それに対し、中国人は『かわいいけど、美人じゃない』と言う人が割りと多い気がします。日本語でこう書くと、悪口に聞こえそうかもしれませんが、実は前の言い方とほぼ同じ意味を表しているのです。けれども、『かわいいのは認めるけど、完璧じゃないよ』と言う意味も多少込められています。こういうロジック的な違いも中日の価値観の違いの一つの表れだと考えられます。
ずばり、中国人と日本人が女性に求めることは違うと言うことです。中国人はきっちりした美の原則に沿う完璧な女神様みたいな女性に憧れているのに対して、日本人は人の心を癒す能力を持つ柔らかい人に対する評価が高いのではないでしょうか。
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