私と日本
呂 敏
三年前、私にとって日本と言うと、ただのひとつの国で世界中の各国と同じように普通でした。もしどうしても特別な感じを言わなければならないとしたら、それは何十年前に日本と中国の間に戦争があったことです。これだけで他には特にありませんでした。この私が偶然、日本語専門の大学生になり、三年生の時には日本で留学もしました。三年の間に日本語と日本の経済、環境、文化などを理解し、日本はだんだん身近なものになりました。今の私にとって日本と日本語は私のいい友達と言えます。この友達のおかげで私は美を発見できるように変わりました。日本の美だけではなく、自分の故郷の美も分かるようになりました。
私が見た日本は景色がよく、きれいな国です。初めて飛行機から富士山を見た時、本当にびっくりしました。高いところから見ると、周りの雲や下の緑の樹木と相まって、なんか富士山の景色は絵になっています。なるほど、世界の中にこんなに美しい山があるのだなあと実感しました。このため日本での留学生活が楽しみになりました。
確かに日本の空気も綺麗だし、緑の植物も多いし、環境も静かでいいです。春休みは一番幸せだった時で、桜の日本を十分に享受しました。京都の清水寺や哲学の道、神戸の中華街や花、大阪のビル、奈良の鹿、湘南の江の島、みんな私の心の中に残りました。哲学の道に沿って大好きな抹茶の味のアイスクリームを食べながら、両側に咲く満開の桜を眺めた時は、言葉で描写できないほど綺麗でした。あの時の気持ちは天国にいるみたいで、なぜ昔の哲学者がここで有名な哲学を思いついたか、すぐ答えが出てきました。それはこのようないい雰囲気で心が落ち着くことが出来たためです。神戸にいた一日中、私は夜間のバス旅行の車酔いでずっと吐き気がしていました。しかし私はずっと精神的には楽しく、一日中吐き気がしながらも神戸の花の写真を撮ったり、博物館へ行ったり、港で海を眺めました。「ちょっと変だなあ、どうして気分が悪いのに自分の気持ちはこんなにいいのか」と不思議に思いました。「そうだ、きっど素晴らしい景色に慰められたから病気も忘れちゃったのだ」と自分は信じています。奈良の鹿はどこででも見えるので、私はびっくりしました。静かな公園の中、大きな桜の木の下で、一頭の鹿が日差しを受けてゆっくり昼寝をしています。
正直に言えば昔から私は美を発見するのが苦手です。いつも旅行する時、どうしてここが有名な観光地になれたのか良く分かりません。日本へ行った後、自然の美の印象が私に深い影響を与えました。もうひとつは自分の故郷泰山について新たなイメージが湧きました。私は生まれてから泰山の麓に20年も住んでいましたが、泰山の本当の美しさがずっとよくわかりませんでした。ある日留学している大学の先生が泰山について日本の学生たちに一度授業をやってほしいと私に頼みました。このため私は随分多くの資料を調べました。授業の時、日本の学生たちみんなが集中して私の説明を聞きながら泰山の写真をじっと見ていました。私の発表がおわると、長い拍手が続きました。その時、突然、自分の故郷の美をすごく感じることが出来ました。
今でも自分はラッキーだったと思います。もし日本へ行かなければ、多分今の私はまだ美を発見する目を持っていないだろうと考えています。人生の中で美しい物を享受できないときっと楽しくないでしょう。これからはいつも美を発見する目を持ち、周りの世界を楽しみたいです。
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