中国商務省は16日の定例記者会見で、外資の導入をめぐる状況を紹介しました。7月の実行ベース外資導入額が去年同期に比べ8.7%減少したことについて、瀋丹陽報道官は「外資の減少は一時的なことで、多くの多国籍企業は中国市場に期待を寄せている」と述べました。
商務省が16日に発表したデータによりますと、7月の実行ベース外資導入額は75.8億ドルで、去年同期に比べ8.7%下がったことが明らかになりました。中国の外資導入は、今年4月までの半年間マイナス成長が続き、5月に0.05%増えましたが、6月と7月は再びマイナス成長となりました。
これについて沈丹陽報道官は、中国の外資導入が今年、マイナス成長を続けている原因として2点を挙げました。「外的要素を見ると、世界の経済成長が鈍化し、不確定性と不安定性が強まっており、欧州債務危機が今尚適切に解決されていないことなどから、国際金融市場は揺れている。こうした中、米政府は『製造業振興策』を提唱し、『自国回帰』などの計画を打ち出して、実体経済への投資を推進している」とし、「また、インド、ブラジル、ロシアなどの新興経済体が多国籍企業の戦略で新たなホットスポットとなり、投資の流れにも変化が起きている。国内では土地の供給が少なくなり、人件費も絶えず上昇している上、国内市場の需要が完全に解放されておらず、外資導入の優位性が弱まった」との見方を示しています。
沈丹陽報道官はまた、「今年から、国民経済の基本面と発展速度が安定し始めている。第12次五ヵ年計画の実施や内需拡大を刺激する諸政策の推進に伴い、外国企業からの投資により多くのチャンスがもたらされるだろう」と述べました。
また、陳徳銘商務相がこのほど、外国投資企業の責任者との座談会を設け、多くの多国籍企業が中国への投資をより拡大することをその計画および目標にしていることが明らかになりました。
16日に発表されたデータによりますと、1月から7月の期間、米国から中国への実行ベースの投資額は19億6000万ドルで、去年同期と比べ1.0%増えたことがわかりました。また、在中国米国商工会議所が米資企業を対象に行った調査では、76%の回答者が中国での利益について「2011年を超えるだろう」と予測しています。EU商工会議所の調査でも似たような結果が出ています。
こうした点を踏まえ、沈丹陽報道官は「様々な調査や様々な状況に示されているように、現在の外資の減少は一時的なもので、多くの多国籍企業は依然、中国市場に期待を寄せている」と述べました。
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