6月24日の午後0時55分、中国の有人宇宙船「神舟9号」と宇宙ステーション実験機「天宮1号」が飛行士3人の手動操作によるドッキングに成功しました。手動のドッキングは中国では初めてのことです。これにより、中国はドッキング技術を完全にマスターし、宇宙での人の輸送とものの補給を行えるようになりました。宇宙ステーションの建設に向けさらに一歩を進めました。

　今回の手動ドッキングは2時間ほどで終わりましたが、3人の飛行士は地上で1500回以上練習しました。これについて、中国の宇宙飛行士訓練担当の責任者陳さんは「手動操作によるドッキングは手順が多く、かなりな正確さを要する難作業だ。飛行士にとって、大きな挑戦と厳しい試練だとも言える。地上で練習をくりかえしたとはいえ、宇宙では環境が違うので、臨機応変が求められる」と述べました。

　昨年、中国の無人宇宙船「神舟8号」と「天宮1号」は初めて自動操作によるドッキングを行い、成功しました。これで、中国はアメリカ、ロシアについで、自動ドッキングの技術を持つ国となりました。そして、今回手動ドッキングも成功しました。中国は宇宙でのドッキング技術を完全にマスターしたと言えます。中国有人宇宙プロジェクトの武平報道官は、宇宙ステーションの建設に基礎を固めたとして、さらに「ドッキングを行うには、自動操作と手動操作が主な手段であり、合わせて使えば成功率が高まる。これをマスターすることは、中国の有人宇宙計画の第2段階の目標を実現するのに決定的な意義があり、宇宙ステーションの建設のために基礎を固めたと言える」と述べました。

　中国は、有人宇宙計画を3つの段階に分けています。まず、無人および有人宇宙船の打ち上げ。次は、飛行士の宇宙遊泳と宇宙でのドッキングなど。そして最終段階は、2020年をめどに宇宙ステーションを建設することです。宇宙でのドッキングは、第2段階の中心となる目標です。

　武平報道官はまた、「中国は開放的な姿勢で国際交流と協力を求め、宇宙の平和的な利用を目指している」と強調し、「我々は相互尊重、平等互恵という原則に基づき、各国と協力し、交流を行って、有人宇宙事業を推進していきたい。人類全体の幸せのため、より貢献していきたい」と述べました。

　さらに、武報道官は、今後外国の宇宙飛行士を育成し、中国の宇宙船に外国の飛行士を搭乗させ宇宙に行く計画もあることを明らかにしました。(鵬、kokusei)