中国の無人宇宙船「神舟8号」が11月1日午前5時58分、中国北西部の内陸にある酒泉衛星発射センターで打上げられました。「神舟8号」は、今後2日以内に、先日打ち上げられた無人宇宙モジュールの「天宮1号」とドッキングすることになっています。中国にとって、宇宙でのドッキングは今回が初めてです。
発射寸前のカウントダウンです。長さ58メートルのロケットに搭載された宇宙船は、地面から大空へ飛び立ちました。10分後、宇宙船は最初の軌道に乗り、それと同時に、発射の成功が発表されました。
次に注目されるのは、宇宙船と宇宙モジュールとの宇宙でのドッキングです。
宇宙に飛び出すのは、随分昔からの中国の夢でした。中国は1999年の「神舟1号」に始まり、今回の「8号」まで、次々と宇宙船を打ち上げてきました。
中国は有人宇宙開発プロジェクトを3つの段階に分けて進めています。宇宙でのドッキングを実現することは第2段階の重要な部分となっています。現在、世界で、ランデブー・ドッキングの技術を持っているのはアメリカとロシアだけです。その技術は大変難しく、危険の伴うものとされています。世界の例で見ると、これまでにドッキング過程で宇宙船の衝突事故が起きたこともあります。高速で飛行する2つの宇宙船が、軌道上でうまくドッキングをするのに、最大誤差を10数ミリ以内にコントロールしなければならないというほど難しいものです。
しかし、中国有人宇宙プロジェクトの武平報道官は記者会見で、ドッキングがうまく行くことに自信を示しました。
「先ずは、モジュールや宇宙船の品質に自信がある。そして、地上で大量のテストを行ってきたという保証もある。また、万が一トラブルが発生した場合の解決にも万全の準備を行っている」
宇宙船「神舟8号」は、宇宙モジュール「天宮1号」と同じ軌道に乗るのに、5回も軌道を変える必要があるということです。
今回の打ち上げでは、中国は宇宙科学の分野で、初めて国際協力を行いました。宇宙生命科学実験装置をドイツの科学者と協力して宇宙船に設置したのです。これにより、10数項目の実験が行われることになっています。
武報道官によりますと、「神舟9号」と「10号」は、来年続けて打ち上げられ、「天宮1号」モジュールとドッキングすることになっているそうです。
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