シリアを訪問中のアナン国連・アラブ連盟合同シリア問題特使は29日シリアの首都ダマスカスで「6項目からなる調停案を実行するために、シリアの関係各者が直ちに一切の暴力行為を停止しなければならない」と強調しました。
この日、行われた記者会見でアナン特使は、29日に開かれたアサド大統領との会談で、シリア中部ホウラで発生した虐殺事件についての国際社会の重大な懸念を伝えると共に、停戦案の実施に向けより多くの条件を作り出すようシリア政府に求めました。また、アナン特使は、シリア政府が事件について全面的に調査を進めていることに満足の意を示すと同時に、「6項目の調停案はまだ徹底していない」と懸念を示し、シリアの各反政府派に、停戦協定を守り、シリア政府とともに一般市民に対する暴力行為を停止するよう呼びかけました。
アサド大統領は、アナン特使との会談で「現在、シリア国内では武装勢力が急増している。調停案の成否は武装勢力のテロ活動停止にかかっている。武装勢力に資金を提供している国々も調停案を遵守しなければならない」と語りました。
報道によりますと、フランスのオランド大統領は29日、ホウラでの襲撃事件発生を受け、国連安全保障理事会の決議があれば軍事介入の可能性を排除しないとの考えを示した上で、「アメリカとイギリスも同様の見解を持っている」と話しました。また、シリア政府に圧力をかけるため、アメリカ、フランス、イギリス、ドイツ、イタリア、カナダ、オーストラリアなどの諸国は29日、協調してシリアの外交官を国外退去させました。
一方、シリアの反政府派「シリア全国委員会」がこのほど発表した「戦闘続行」の声明に対し、ロシアのラブロフ外相は29日モスクワで「ロシアは驚いている。これは内戦を勃発させる挑発的な発言で、アナン特使の調停案に真っ向から反対するものだ」と述べました。(ミン・イヒョウ、大野)国際・交流へ
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