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 女優神田さち子 中国残留婦人の半生を北京で上演

2012-05-17 13:31:39     cri    

 日本人女優・神田さち子さんによる一人芝居「帰ってきたおばあちゃん」(良永勢伊子原作)が5月19日と20日、北京で上演されます。

 「日中国交正常化40周年記念イベント」の一環であるこの芝居は、中国残留婦人の半生を描いています。1996年の初演からこれまで日本各地ならびに、中国の東北三省で180回ほど上演されました。主演であり、企画と制作も兼ねる神田さち子さんは1944年、中国撫順の生まれ。2歳で両親、兄と帰国。

 「もしかしたら、私も残留孤児になっていたかもしれない」そんな思いから、神田さんはこの芝居をライフワークとして上演しています。「戦時中あるいは日本の敗戦後、日本人を助けてくれた中国の人々と養父母たちにささげ、感謝を表したい」と作品に託した思いを語りました。

 留日同学会の旭日幹会長は、「この芝居は日本の侵略戦争を告発し、戦争に反対し、世界の恒久的な平和に憧れている気持ちを表している。すばらしい作品なので、中日両国で幅広く上演されることを期待している」と語りました。

 なお、今回の北京公演に先立ち、15日と16日には大連で上演されました。(王小燕)国際・交流へ

 上演案内(無料開催)

 5月19日 北京外国語大学大礼堂       14時開演

 5月20日 北京人芸実験劇場(首都劇場4階) 15時開演

 ■「帰ってきたおばあさん」あらすじ

 戦前、夫とともに「満州」に渡り60年ぶりに故郷の鹿児島に帰ってきた鈴木春代は、若い人たちを前に自分の半生を振り返り、語り始めます。

 敗戦とともに村にはソ連軍が侵入。日本軍は早々と逃げ、開拓団の人々は南へ向かって逃避行。春代は夫や子供と離れ離れになり、最後は中国の村人に助けられます。

 生きていくためもあって中国人の青年と結婚。助産婦の資格もとって地域にとけこんでいきます。死んだと思っていた娘との再会。しかし60年代の「文革」では「日本人だから」というだけで迫害を受け、牢獄にも。こうした過酷な運命を生き抜き、最後は「ずっと中国で生きていこう」と決意。

 子どもや周囲の理解もあって、日本へ短期間の里帰りを果たします。

 ■ 神田さち子さん

 1944年、中国の撫順生まれ。1946年、2歳で両親、兄と帰国し、福岡県で育つ。

 西南学院卒。結婚で奈良へ。子どもへの語り聞かせから、会合で「民話」など語り、演じるようになる。

 1996年から、この一人芝居を約180回公演。

 「やはり中国の人々へのお礼とおわびの気持ちを表したい」と2008年はハルビン、2010年はハルビンと長春で上演。そして今回、「日中国交回復40周年の年に、何としても首都北京で公演を」との願いが実現しました。著書に『あなたに伝えたくて』。

 (資料提供:小寺松雄)

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