世界銀行のゼーリック総裁は5日、「中国経済の持続可能な発展を保つには、内需を拡大しなければならない。長期的からみて、中国がこれからも輸出と投資に頼って経済の成長をけん引することは難しい」との見解を示しました。

　ゼーリック総裁はこの日北京で開かれた記者会見で、「いま中国が直面している主要な問題はインフレであり、政府はすでに、抑制措置を講じおり、いまは正しく発展している。しかし、いま、中国のインフレが解決されたとはいえない。中長期的からみれば、今後10年はなおも輸出に頼る成長を図っていくということは難しい。もし、その他の先進国の経済がしっかり回復できなければ、中国が直面するチャレンジはさらに大きくなる。したがって、中国は経済成長のエンジンを調整しなければならない」と指摘しました。

　ゼーリック総裁は、また「中国は高所得国の仲間入りを果たすことは出来る。しかし、これには構造上の改革が必要である。天然資源の価格を市場化で決め、環境整備に関心を寄せること、それに教育や医療衛生などの公共サービス分野での政府の役割を強化することなどは、いずれも、次の段階に解決しなければならない課題である」と述べました。（玉華）暮らし・経済へ