中国国家統計局は21日、記者会見を開き、2009年の中国のGDP・国内総生産が前の年より8.7%増えて33兆5000億元(日本円で約460兆円)に達したことを明らかにしました。これにより、中国政府は、昨年初めに立てたGDPの8%増という目標を実現しました。今年の経済について、国家統計局の馬建堂局長は「速くて安定した成長を続ける」との見方を示しました。
この日の記者会見で、馬建堂局長は「GDP成長率の8.7%という数字は改革開放以来30年間の平均水準より低いが、中国経済の回復を示している」と述べました。さらに、昨年の中国経済について次のように話しています。
「農業は安定した伸びを保ち、食糧生産量は6年連続して増加している。また、工業生産は四半期ごとに改善され、その利潤は大幅な下落から上昇へと変わってきた。投資は急速に増えつづけ、とりわけ民生分野の投資が明らかに増加した。物価は、1年間では前の年より下がっているが、年末には前の年の同じ時期より上がった。貿易額も11月から同期比が反発してきた。国民の所得は増加し、雇用情勢は予想よりよかった。さらに、通貨の供給量の増加が速く、新規貸付も大幅に増加した」
国家統計局の発表によると、昨年、投資と消費が引き続き、経済成長を引っ張る原動力となりました。年間の固定資産の投資額は前の年より3割以上増えて約22兆5000億元(約300兆円)でした。また、小売総額は15.5%増加して12兆5000万元(約160兆円)に達しました。また、昨年のCPI・消費者物価指数は前の年に比べ0.7%下落しましたが、11月から2ヶ月連続して、前の年の同じ月に比べ上昇しました。これについて、物価が上昇していけばインフレ圧力が強まるとの声が上がっていますが、馬建堂局長は「CPIの上昇は、食品価格の上昇と住宅に関する支出の増加によるものだ。これは、政府が懸念していたデフレは避けられたものの、物価の成り行きを見守る重要性が高まっていることを意味している」と述べ、さらにこのように語っています。
「今年は、経済成長と経済構造の調整、およびインフレに対する管理をいっそう進めて、物価の早すぎる上昇を防止する。需要と供給の状況と6年連続した食糧生産量の増加を考えれば、今年の物価はコントロールできるだろう」
さらに、今年の中国経済について、馬局長は「マクロ調整の一貫性と安定性を保つと共に、政策の柔軟さを高めて効果をあげていく」として、次のように述べています。
「今年も、中国経済は速くて安定した発展を保つ。それは、世界経済が徐々に回復し、全体の状況が2009年より改善されているためである。また、輸出入がプラス成長するに加え、投資と消費が引き続き、中国経済を引っ張っていく」(翻訳:鵬)
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